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人を好きになる瞬間の個人差
塩すずめちゃん
公開日|2022.07.28
更新日|2022.07.28
高校に入学して1週間ほど経ったある日の昼休み、他の科の男子数名が突然教室に訪れた。
一番近くに座っていた優ちゃんが要件を伺った。
グループのリーダーっぽい小橋くんが
「教室の蛍光灯が切れてて、このクラス女子しかいないから俺らで交換してやってって言われて来た」と答えた。
優ちゃんは彼らを蛍光灯まで案内し、我々女子グループの方に来て 小橋くんを指差して「好き」と言った。
「今この一瞬で!?」全員爆笑した。
「まず顔が好きすぎる」
「先生に頼まれて蛍光灯変えに来てくれる感じもシブい」
「たまたま私が対応したのも運命くさい」
「決めた、小橋と付き合う」
優ちゃんは蛍光灯を交換し終えた小橋くんを引き止めて、連絡先を聞いて、
数週間後に本当に付き合い出した。
私は人を好きになっても、その瞬間には気づかない。
いつの間にかその人のことを考えてる時間が増えていて、徐々に「好きかも」と自覚するパターンがほとんどだし、大体の人がそういうもんだと思っていた。
だから優ちゃんのスピード感が余計におもしろかった。
優ちゃんは運動神経がいい。何をやらせても器用にこなすし、ドッチボールは受けも攻めも強い。
私はとにかく瞬発力もなければ動体視力も弱い。サッカーの試合と金魚すくいの水槽の区別もつかない。
誰かを「好き」と自覚するスピードは運動神経が関係しているのか。
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