三人

私なんてブスだし太ってるし、歳もいったおばさんだ。興味本位で一度は抱いても、二度目まで会いたいとは思うまい。と思えど、相手はそうではなく。ダイキがそうだったようにタカシさんも、会ったその日の夜にも「最高に気持ち良かったよ、付き合ってよ。もう離れられない」とLINEが来て、以降も毎日「また会いたい、振らないでね？好きだよ」とも。なんとか多忙を理由に次のアポイントを取らずにいる中、シュウくんからのLINEも頻繁に来た。23歳という若い男性など実生活でも甥っ子くらいのもので、話す機会など無いから新鮮ではある。同年代のタカシさんと違い、紳士的な所など全くない。「まゆ可愛いよ、どうしてもやりたい！今日の夜はどう？近くまで行くからさ！」というストレートさについつい断りきれなくなり「じゃあ一回だけね」と言ってしまった。

スマホを置き、ダイキと別れたばかりなのにタカシさんと会い、シュウくんとまで。つい最近まで不倫すら自分には関係のない事だったのに、何やってんだろ。そう思うも罪悪感は湧かない。そんな自分が最低だな、とも思うが家庭は実際に上手くいき、私自身も明るく前向きに過ごせてもいる。モラハラばかりの旦那に腹が立たなくなり、子供達の世話も以前より細やかに出来て、家庭自体も明るくなった。誰であれ頻繁に会うわけじゃなく、ダイキとの交際中も会うのは間隔をかなり空けて月二回まで。同性の友人と会う日や仕事のスケジュールの中に織り交ぜ、普段はいつも通りの着飾らぬ自分のまま過ごし、LINEや電話のタイミングに気を付ける。そんな交際の仕方だから誰も私を疑わない。

向こうから会いたい、と望まれはしたが…さすがに相手が23歳となると緊張する。ましてただ会って話すだけじゃなく、セックスの相手になるのだから。そんな事を思ううち、待ち合わせ場所に一台の車が停まった。こちらの服装を見て中から手を振る彼がシュウくんなのだろう。体格は細いけど筋肉質で、何より顔立ちが良い。こんな好青年ならわざわざ年増を捕まえなくても、若い美人が寄って来そうなのに。遠慮がちに助手席に乗り「あのさ、私40近い年齢だし本当にいいの？それに見た目が無理だったら正直に言っていいよ？ここでバイバイで構わないから」と言うと、シュウくんは「ごめん、髭剃ってる時間も惜しくてそのまま来ちゃった。痛いかも」と言うと私の頭を持ってキスして来た。伸びている髭が当たる感触と、舌が入ってくる感触が同時に来る。唇を離された後「本当にこんなに年齢差あっても平気なんだね」と言うと、シュウくんは私の手を取り勃起している股関に当てた。「子供はまだだけど結婚してて相手は同年代だよ。でも歳上好きなんだ、俺。やっとまゆがOKしてくれて嬉しい！」屈託ない笑顔で言われ、車はすぐにホテルへ向かう。部屋に入るなり脱がされ、勃起しているモノを「咥えて」と口に入れられる。咥えたら咥えたで、軽く頭を持たれピストンされた。シュウくんもSらしい。どうにも私はSっ気がある男に気に入られる。そのうち「我慢出来なくなった、入れたい」と言われベッドに寝かされた。言うか否か迷ったが、コンドームを装着する時間はムードが一旦壊れるのも事実で、私にはそれをする必要が無い。なので備え付けのコンドームに手を伸ばすシュウくんに「あ、私ピル飲んでる」と言ってみた。

やっぱりどの男も反応は同じ。凄く嬉しそうに「え、マジ？じゃあ生でいいんだ」と喜んだ。そして「俺騎乗位好きなんだ。乗ってよ、下から突きまくりたい」と言われリクエスト通りに乗って先端を入れようとするが…なかなか上手く入らない。入らない原因は、シュウくんのモノの先端が凄く太いから。今まで旦那の小さい一物しか知らずに来たが、ダイキ、タカシさんと他の男を知るうち、アレの形も大きさも様々だと実感。なんとか先端が入ったら、全て入りきらないうちにお尻を掴まれ下から突き上げられた。胃まで届くんじゃないか、と思う程の強いピストンは、気持ちが良いけど強すぎる。今相手しているのは二十代前半の男なんだ、とつくづく実感出来るような元気の有り余ったセックスだった。

そして…「あ、ごめん」とシュウくんが一言言って小さく笑う。何にした謝罪かはすぐ分かった。引き抜かれた直後に生温かい精液が膣から出たから。「中出ししたな？」と笑うと、シュウくんも「だって気持ちいいんだもん、まゆ」と返す。こんなやりとりで済むのも、ピルを服用しているから。私の貞操観念が一気に低くなったのも、このピルの服用による所も大きい。シュウくんにも「また会ってね、約束」と言われ車で送られた。正直、シュウくんは一回きりの相手探しかと思っていたので二度目を求められるとは思っておらず戸惑った。ただ、好きだのなんだのとは言わずストレートに「まゆは可愛いし俺の好み、何度も抱きたいから、またしよう！」と性欲ありきで気軽に言ってくれるからまだ気が楽だ。「継続するのはリスクがあるから、一回だけね。次は他の人探して」と言いやすい。

とは思ったが…「え、探さないよ。まゆがいい。一回きりなんて言わないでまた会ってよ、まゆも俺を気に入ってくれたんでしょ？好きだから会いたい」と返った。有り難う、もう充分過ぎるくらい自分にまだ価値がある事は実感出来た…。でも不倫の二股なんて私にはとても無理。慣れてないもん。

と、思い次の返信をどうするか悩んでいたら、ダイキからもLINEが入り唖然となった。別れたと思っていたのは私だけらしい。どうしよう、三人の男を抱える事になるなんて…(笑)