夫婦なら毎日の「営み」があって当然、と考えられていたのは、もう随分と昔のことかもしれません。

セックスレスなんて当たり前という価値観が一般的になってきているのも事実ですが、しかし本当にそれでいいのかという疑問もわかないわけではありません。

ひとくちにセックスレスと言ってもそのパターンは様々で、人それぞれの原因や理由があったりします。

もちろんセックスをしない夫婦の価値観というのも尊重し理解できるのですが、もしかしたらちょっとしたことでレスは解消できるかもしれません。

そうであるのなら、一つのコミュニケーションや愛情表現の方法として男女の営みを取り戻してみても悪くはないはずです。

目次

仲良し夫婦がセックスレスになったわけ

例えばこんな例があります。

決して夫婦仲が悪かったわけでもなく、むしろ仲良しで評判の夫婦がセックスレスになってしまうということも珍しくありません。

特に子供が産まれてしまうと、女性が「女から母」になり、セックスに対する欲求がなくなり、その結果レスになってしまうというパターンはありがちです。

このような場合、夫婦の仲という意味では関係が悪くなるわけではないのですが、セックスに関するちょっとした気持ちや言葉の行き違いが、想像以上に長引いてしまうことがよくあります。

子供が産まれたことがきっかけで

A子さん夫婦がセックスレスに突入したのも、初めての子供の妊娠から出産がきっかけでした。

結婚してまだ間もないうちの妊娠だったので、旦那さんは夫婦のセックスに対して貪欲で、まだお腹が大きくならないうちは積極的にA子さんの体を求めてきていました。

しかし妊娠中期に入りA子さんのお腹が目立ち始めると、だんだん旦那さんが求める回数が減ってきて、最後には

「妊娠しているA子の体がグロテスク」 とまで言われるようになり、結局そのまま妊娠中はセックスレスが確定。

A子さんもお腹の子供のことが心配でセックスに対して積極的になれませんでしたが、

やはり旦那さんの心無いひとことがずっと棘のように心に引っかかっていました。

セックスを拒否されたことが心のしこりに

その後出産を終えてからしばらくはA子さんも育児に必死で、そんな姿を見て旦那さんもセックスの話は持ち出してこなかったのですが、3ヶ月をこえた頃からそれとなく誘ってくるようになりました。

しかし、ひどい言葉を掛けられたA子さんは、あからさまに仕返しをするつもりもなかったのですが、ついあのときの言葉を思い出してしまい、まだ早いからと誘いを拒否するようになってしまいました。

今思えばそこまで根に持つことでもないと思えるのですが、そのときは子育てのストレスや、妊娠中の夫の態度全般に対しての不満もあり、旦那さんを無意識的に避けてしまっていたということでした。

やがて夫の方も拒絶するように

ではその結果どうなったかといえば、何度誘っても嫌な顔をしながら拒絶してくるA子さんに、

旦那さんは腹を立て 「もうお前とは一生セックスしない」 と宣言するまでに至ってしまいました。

はじめのうちはそんなこと無理だろう、いずれまた「セックスしようよ」と言ってくるかと思っていたのですが、旦那さんの意思は意外と固く、その後もセックスレス状態が続くようになってしまったのです。

子供がいつもいる生活がセックスレスを確定

夫婦がセックスレスになる理由の中では、やはり子供という要因は無視できないものです。

先程の話のように妊娠から出産に至る過程の中で、ちょっとした言葉のやり取りが大きく傷を残すこともありますが、出産後もまた子供という要因でセックスレスがさらに悪化してしまうこともあります。

試してみたが子供の夜泣きで

A子さん夫婦はそもそも仲のよい夫婦でしたので、妊娠から出産直後までのギクシャクした関係も、その後やや改善の兆しが見えました。

出産後数ヶ月立った頃、A子さんも自分のしたことが少し大人気なかったと反省し、さり気なく旦那さんを誘ってみたところ喜んでくれたのです。

しかしそのままベッドに向かい1年ぶりくらいのセックスをしようとしたところ、隣のベビーベッドですやすやと眠っていた赤ちゃんが急に夜泣きを始めてしまいました。

そうなると母性本能の強いA子さんは、セックスどころではありませんし、なにより赤ちゃんが起きている状態で隣のベッドにいるのに、そこでセックスをする気にはなりません。

旦那さんにそう伝えたところ、旦那さんはそのような状況は一切気にせず、ひとりで盛り上がってしまっているのです。

しかたなくA子さんはできるだけ早く済まそうと、なんとか旦那さんの要求に応じ、手早く1年ぶりのセックスを終えたのです。

しかし、目覚めている赤ちゃんの隣でそのようなことをしてしまったことに対して激しく後悔したA子さんが、その後旦那さんと完全にセックスレス状態となってしまいました。

夫の風俗通いが発覚

さらに状況を悪化させたのが、旦那さんがとった行動でした。

「A子とセックスできないのなら風俗に通う」 そう宣言した旦那さんは週イチペースで仕事からの帰りが遅くなり、時にはテーブルに上の風俗店の割引券が置かれるようになりました。

それでもA子さんは子供の前でするよりはマシと思い込もうとしましたが、だんだん旦那さんの顔を思い出すだけでイライラするような、悪い状況へと話は進んでしまいます。

いつしか不倫まで疑うようになり

さらに状況が悪化したのは、旦那さんが平日の帰りが遅くなるだけでなく、土日に外泊するようになってからです。

はっきりとした証拠はありませんが、A子さんはだんだん旦那さんの不倫を疑うようになり、精神的にもどんどん病んでしまうようになりました。

夫婦のセックスレスの対策が大事

A子さん夫婦のセックスレス問題は、決して珍しいケースではなく、

そこまで極端なセックスレスになるかは別にして、似たようなことが夫婦の間に起こります。

しかしこのようなセックスレスの問題は、きちんと対処すれば解決できる問題でもあるのです。

メンタル要素が大きいからお互いきちんと話し合いを

A子さん夫婦のセックスレス問題は、決して珍しいケースではなく、

そこまで極端なセックスレスになるかは別にして、大なり小なり似たようなことが夫婦の間には起こるかもしれません。

しかしこのようなセックスレスの問題は、きちんと対処すれば解決できる問題でもあります。

やられたらやり返す的な発想は最悪

ここで問題を悪化させてしまうのが、仕返し的な発想です。

〜してくれかなったから自分もしない
〜されたから同じことをやり返す

こういう発想は夫婦関係のみならず、あらゆる人間関係を悪化させます。

セックスレスの問題を見ていくと、ほとんどの問題がこの

「やられたらやり返す」という思考が根本的な原因となっています。

ドラマなどではよく使われるこの「やられたらやり返す」は、あくまでドラマ上だから許されていますが、実生活で使ってもなんの良いこともありません。


コミュニケーションの一つとして思いやりをもって

夫婦間でのセックスレスは、それが絶対にいけないものというわけではありません。

お互いに納得の上でセックスは必要ないと考えている夫婦もたくさんいらっしゃいますでしょうし、特に最近ではそういう考え方は増えているようです。

しかしそれはある意味、あまりにセックスを意識しすぎているのではないかとすら思えてしまいます。

夫婦にとってセックスは子作りのためという意味もありますが、人によってはもっと軽い価値観で、夫婦間の一つのコミュニケーションと捉えていることもあります。

逆にあまりに夫婦だから子作りのためと思い込みすぎてしまうと、セックスを楽しめなくなってしまい、その結果セックスレスになり、そこからさらに夫婦間の関係がギクシャクしてしまうということもありえます。

まとめ

セックスレスになってしまう夫婦の関係は、時に非常に悪化してしまいます。
今回紹介したA子さんの事例のように、お互い色々な思いがあるけれどそれをきちんとコミュニケーションをとらずに感情的なものだけをぶつけてしまうと、状況はどんどん悪くなります。

まずは一度相手の立場やどんな事を考えているのかをよく感じ取って、思いやりをかけてみれば、悪化した状況を改善するための糸口がつかめるはずです。