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雨
みり
公開日|2022.04.04
更新日|2022.04.04
ひどく雨が降っていた。
「今日合コン欠員出たんだけど、空いてたりしない?」
丁度夜の予定が無くなったタイミング。ノーという答えは持っていない。
急遽決まった合コンに期待するほど若くない。とにかく空いた予定が埋まって良かったという安堵感。
だから相手の情報を事前に聞くなんて考えもしなかった。
ただ、お気に入りのマッキントッシュのレインブーツぶんだけ、期待していたのかもしれない。
何度目の合コンだろう。50を越えたあたりから数えなくなった。
男性からご馳走される事や、カラオケがついている、シャンデリアがやたら派手、広い個室、そんなお店に驚いていた自分はもういない。
目の前に並ぶ男性を無意識に値踏みするようになったのはいつからだろう。
今日は4:4。
左から、細長いメガネの会計士、じゃがいものようにゴツゴツしたよく喋る経営者、幹事の醤油顔証券マン。全員三田会の皆さま。
レインブーツぶんの期待はかなわない。
もう1人は遅れてくるらしい。
いつものように無難な自己紹介、仕事や趣味や休みの日は何をやっているかを消化していく。
こんな話、何になるんだろう、って思うことすらしないけど、話が終わる少し前にその人は現れた。
独特な雰囲気、どんなに笑っていても目の奥が動かない、どことなくサイコパス。
(あ、この人と何かありそうな気がする)
私の本能が言ったのを覚えているのだが、何故だったんだろう。
2人で会う日はいつも雨、なんてロマンチストを気取るつもりはないが、大雪、地震、トラブルが必ず起きた。
今ならわかるが、神様がやめておけと妨害してくれていたのに。
恋に盲目になると、全てが良く見えるように感じるらしい。盲目だといっているのに、だ。
そんな恐ろしくポジティブがすぎる自分の目は、どうやったら覚ませることができるのだろう。
1年間。アラサーの1年は短くて、重い。
最後の日もひどく雨が降っていた。
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