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酪農家の嫁
由美
公開日|2022.04.24
更新日|2022.04.24
酪農家に嫁ぐと、町総出で祝福され人気者になったような気がした。
町のどこへ行っても「結婚おめでとう」と言ってもらえた、御近所さんからはお祝いも頂いた。
家畜の餌やりがあるため朝は早いのだが、皆の期待に応えられるように頑張らなくてはいけない。
育てた家畜が大きくなるのは嬉しいのだが、業者さんに引き取られる時の家畜は鳴き叫ぶためメッチャ辛い、しかし、手放さないと収入が得られない。
義母、「赤ちゃんはまだ?」
私、「スイマセン」近隣の人達、「家畜は生まれたのに、赤ちゃんはまだ?」
私、「スイマセン」
酪農家の嫁になって、子供が出来ないことで何度謝っただろう。
子供が産めない家畜は、エサ代が掛かるため処分されてしまう。
子供が授からない私は、このことを間接的に言われ続けた。
結婚10年目にようやく子供を授かったのだが、生まれて来たのが女の子と分かると、結婚を祝福してくれた人達は皆落胆。
義弟に男の子が生まれると、旦那ではなく義弟が酪農を継ぐという話が出始め、義弟の結婚を祝福してくれた人達は、そのことに皆賛同している。
男の子を産めなかった私は、近々処分されるかもしれない。
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