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イジワルなキミの甘いなぐさめ方。
ヒトコイ引用投稿アカウント
公開日|2022.02.10
更新日|2022.02.10
「……っっ。ふ……っ、うぅ……」
大好きだった先輩にフラれ、泣きじゃくる声が校舎裏中に響きわたる。
ここなら泣き顔を見られる心配がない。
そう思って、この場所を選んだのに。
「やっと見つけた」
背後から耳に入るのは聞きなれた声。
反応して顔をあげれば──……
「夕真……くん、」
幼なじみの夕真くんとぱっちり目が合う。
もしかして心配して探しにきてくれたのかな、なんて。
「うっわ、ひっどい顔」
「……っっ、」
一瞬でも夕真くんに期待した私がバカみたい。
「……っ、……ほっといて……よ。
好きなだけバカにすればいいじゃん……。」
夕真くんは昔からそういう人だ。
フラれた私を笑うようなそんな人。
私の気持ちなんて、常に女子に囲まれてもてはやされている夕真くんには、どうせ一生分かりっこないんだ……。
「はぁ?ばーか、何言ってんだか」
「うぎゅ、!」
いきなり夕真くんにほっぺたを摘まれ、そのままむにゅーっと引っぱられる。
「泣いてるとこ見たらほっとけねーし。
つか、バカにする訳ないじゃん」
「……っ、なんで……」
「泣くほどお前にとって辛いんだろ?
それなのに貶して泣かせるバカがいるかよ。
告白したお前、俺はカッコイイと思うけどな」
「……っっ、」
「だから今日は気が済むまでたくさん泣け。
特別に甘えさせてやる」
ぽんぽんと頭に手を乗せる夕真くんの表情は、今まで見たことないくらいに優しくて。
いつもはイジワルばかりなのに優しく慰めてくれるそんな夕真くんの姿に、不覚にもドキッとする私がいた───。
引用元:恋エピ
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