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好きって言えば良かった
ヒトコイ引用投稿アカウント
公開日|2022.02.10
更新日|2022.02.10
私の忘れられない恋、それは高校時代の恋でした。
高校1年生の入学したての私は、部活(演劇部)のイケメン部長を囲んで楽しい放課後を過ごしていました。
演劇部なので、文化祭の実行委員の先輩とも親しくなるのです。イケメン部長の友達が文化祭の実行委員長で、見た目は・・・原田泰三に似てると評判でした。放課後みんなでワイワイきゃあきゃあ言いながら部活に行くと、たいぞー先輩とイケメン部長が話してました。
「あーたいぞー先輩だー」「わーうるさい集団が来たな!」と1週間もほぼ毎日顔を合わせればそんな会話もするようになりました。その頃の私は、イケメン部長の友達のイケメン先輩たち、とりわけ文化祭でバンドをやる先輩たちにも可愛がられて、毎日がとても楽しかったのを覚えています。
イケメンではないたいぞー先輩には気取ることもなく、何でも言いたいことが言えて、しょうがないなぁなんて言いながらもたいぞー先輩は世話を焼いてくれていました。S先輩かっこいいよね、彼女いるの?とかT先輩マジイケメン。バンド楽しみ!とか、そんな話をしていました。
文化祭前日、準備で走り回ってるたいぞー先輩を見つけて声をかけると、「なんだよ~」と言いながら足を止めてくれました。
「忙しそうですね、お疲れっす」そう言うと、くしゃっと笑って「そう俺疲れてんの。ちょっと休憩すっぞ」と、私の手を引いて空き教室へ入りました。そこで、なぜか会話はなくて、はあっと座り込んだたいぞー先輩の方をたたく私がいました。しばらくそうしていて、「ありがと、ちょっと元気出た」とたいぞー先輩が言いました。
「うん、実行委員長あっての文化祭ですからね。初めての文化祭、すっごく楽しみにしてるの」そういうと、またくしゃっと笑って出ていきました。
文化祭当日、先輩たちの圧倒的な熱量の舞台、演劇部の技巧の効いた舞台、そしてバンド演奏。自分のクラスの出し物が、全体展示という受付も何もいらないものだったので、ずっと体育館で堪能しました。だけど、たいぞー先輩と絡む時間はなく、近くにいてもこちらを見てもくれない、忙しいからかなと思ってもちょっと寂しかったのを覚えています。
文化祭が終わり教室へ戻るとき、友達から聞かれました。「たくさん仲のいい先輩がいるけど、本命はいるの?」と。「自分の気持ちに気が付いたら、教えてね」と。
その瞬間、私はたいぞー先輩が好きなんだ!と、気が付きました。
それからの私たちは付かず離れず。窓越しに授業中でも会話をしたり、放課後は空き教室で勉強している彼のそばにいたり、一緒に帰ったり。ただそれだけ。一緒にいるのがうれしくて楽しくて、伝えるのが怖くて、何も言えなかったのです。
彼は受験生。好きって言ったら困らせるからなんて、自分に言い訳してました。彼の友達(3年生)からは彼の彼女と言われることがあったけど、「違いますよ~」と否定することしかできなかったです。だって、付き合ってなかったから。
そうこうしているうちに受験の追い込みで、どんどん距離ができていきました。さみしくて悲しかったけど、受験前だから、近づくことができなかったです。
彼がそばにいない時間が増えて、今まで3年生(というか彼)にしか向いていなかった視線がクラスにも向くようになりました。外ばかりみて3年生の教室に彼を見つけようと必死だった私は教室の中を見るようになりました。
彼の卒業の日、「たいぞー先輩、ボタンちょうだい」そういうと、私の頭をくしゃっと撫でて「はい」そう言ってボタンをはずしてくれました。「ありがとう」それだけ言うのがやっと。卒業のプレゼントを渡して、夏休み帰省したら遊びに行く約束をしました。
私はずっと、彼に好きだと言いたかったなと思ってる。ちゃんと「すき」と伝えていたら、彼の一番大切な人になれてたかもしれないと思います。
後悔はしたくないから、ちゃんと伝えよう、今はそう思って恋愛をしています。
引用元:恋よ恋
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