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ゴメン、ハズレで
ののchan
公開日|2022.06.18
更新日|2022.06.18
会社で世話になっている先輩の披露宴を終えると
同期入社の同僚、「今回はハズレだったね」
私、「・・・」
ネットが普及してからは出会い系サイトなど男女の出会い方が多様化しているが、昔から結婚披露宴も男女の出会いの場だった。
同期入社の同僚がハズレと言ったのは、披露宴参加者に年頃の男性がいなかったから、無理もない結婚をした先輩は再婚だから。
「今回はハズレだったね」と言われた私が返事をしなかったのは、それから1年後に私の結婚式が決まっていたから。
ハズレの披露宴とは思われたくない、しかし、結婚披露宴は今までお世話になった人への感謝の意味が込められており、同僚を喜ばすために行うのではない。
私、「披露宴に参加してくれる人は決まった?」
彼、「招待状の返事は全部来たよ」
招待状の返事が来ても、文字しか書いてないため、どんな容姿をしているのかは私に分からない。
私、「誰が披露宴に来てくれるの?」
彼、「従兄弟がメインだよ」
彼の従兄弟となると、私達と同年代、しかも、彼は良い大学を出ており、彼の従兄弟なら、そこそこ良い大学を出ているはず。
私、「従兄弟が映った写真はないの?」
彼、「子供の時に撮ったのなら」
その写真を見せてもらったら、彼の従兄弟だけあり品があった。
結婚式は家族だけで行い、披露宴に参加してくれる彼の従兄弟はまだ見ていない。
結婚式を終えると、私は急いでウェディングドレスに着替えた、彼もタキシードに着替えた。
披露宴会場のスタッフさん、「扉を開けますね」
扉が開くと、照明が私と彼に向けられメッチャ眩しい、こんな経験生まれ初めて。
しかし、眩しいのは照明だけが原因ではない、披露宴に参加してくれた彼の従兄弟は殆どが禿げており、禿げ頭に照明が反射していた。
マズイ、禿げでは同期入社の同僚に、「ハズレだった」と言われてしまう。
その同期入社の同僚を探したのだが、同僚は禿げばかりの参加者がイヤなのか、席にはいなかった。
お色直しの時にスマホを見ると、同僚から「帰るね(笑)」とメッセージが届いていた。
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