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若かった頃の甘酸っぱい想い出
ぬこたん
公開日|2023.01.07
更新日|2023.01.07
まだ私が10代の頃の話です。
私は大学生、好きだった彼は社会人で6歳年上でした。
大学の同級生の男子に比べたらものすごく大人で、知的で、ふるまいもスマートで、会うたびにどんどん好きになりました。
二人で食事に行ったり、ボーリングをしたり、たまにはひとり暮らしをしていた彼の部屋に泊まることもありました。
今、当時のことを客観的に振り返ってみると、私の方は彼と「付き合っている」と思っていましたが、彼の方は私と「付き合っている」とは思っていなかったのでしょう。
二人で会うことも少なかったですし、「好きだ」とか「付き合おう」とか、明確な言葉をもらった記憶もありません。
ただ、田舎育ちで(自分で言うのも何ですが)まだ純粋だった私は、二人で会ったり、深い関係をもったりする人は、絶対に私のことが好きなはずだと思い込んでいました。
なかなか二人で会えなかったのも、彼の方は社会人で仕事が忙しいからだと思っていたのです。
会えないときにはお弁当やちょっとしたお菓子を手作りして、彼の部屋のドアにかけておいたりもしました。
当然、合鍵なんてもらっていません。
大学の友達からは「それって本当に付き合ってるの?」と厳しいツッコミを受けたりもしましたが、彼を信じて疑いませんでした。
ある日のこと、電話がつながらなくなり、心配になって彼の部屋へ行ってみたところ、なんと彼は引っ越していたことが判明したのです。
このときにはじめて私は、友達の言う通りだった、私たちは付き合ってはいなかったのだと気がつきました。
それから数日は気分が落ち込み、何もする気になれませんでしたが、今当時のことを思い出すと、あんなに好きになれたのはこの彼だけでした。
彼のことを好きな自分も好きでした。
辛かったけれど懐かしく、甘酸っぱい想い出です。
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