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今ならわかる、あれはたしかに恋だった
るら🍓
公開日|2022.11.13
更新日|2022.11.13
私は女子高育ちで、男性に対する免疫がないまま社会人になりました。
就職したのはアパレル企業、女性の多い会社。
比較的ホワイト企業だったこともあり、少々のトラブルがあっても穏やかな上司が出てきてフォローしてくれました。
たまに接する男性は物腰のやわらかい人が多く、勤めていく中で少しづつ恐怖心のようなものは薄れていきましたが、恋愛に発展するような仲にはなりませんでした。
どこまで踏み込んでいいのか、どうやって男性が喜ぶような言葉を伝えたらいいのかわからなかったのです。
そんな中、自社のファッションイベントがあり、会場で事故が起きてしまいました。
私はたまたまその現場近くに立っていたため、参加していた人に激しく叱責されることになってしまいました。
怒鳴り声、私の人格を否定する言葉、汚い罵声、聞いたこともない蔑み…私は男性への恐怖心が一気に思い出されて、その場ですくみ上ってしまって。何も言い返さない私に向かって手を振り上げた男性の前に、一人の女性があらわれて助けてくれたんです。
私より少し若い、今風の女性でした。
モデルさんをしていた人だったんですが、とてもやさしく慰めてくれて。
それがきっかけで、友達になったんです。
休みの度に一緒にショッピングに行ったり、仕事の糧になるファッションショーに出かけたり、時には一緒に飲みに行って男性の凶暴さを愚痴り合ったり。
いつの間にか、唯一無二の親友になっていました。
ずっと、大切な親友でいられると思っていました。
でも、ある日親友だった人は、私に衝撃の告白をしたんです。
実は、男性なのだと。
友達の枠を越えたい欲求が芽生えてしまった、告白せずにいられなくなったと泣きながら訴えられました。
心と体がバラバラになってしまって、とてもつらいのだと言われました。
私は…騙されていたんだという気持ちと、今までの楽しかった出来事がぐちゃぐちゃになって、自分の事しか考えられなくなりました。
そして、納得できるまで話し合う事をせずに、男性への恐怖心を絶つために拒絶を選択してしまいました。私は親友を失いました。
その後いろんな出来事があり、上司の勧めでお会いした方と結婚しましたが、今にして思えばあの頃私は恋をしていたのだと思うのです。
親友の喜ぶ顔を見るためにおしゃれをして、笑ってくれるようなサプライズを用意して、涙をこぼすことが無いよう一緒に歌を歌って。
親友とのことが無ければ、私は今の旦那と結婚する事はなかったと思います。
でも、もし、私があの時、親友だった男性に寄り添えていたならと、今でも思い出すことがあるのです。
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