放課後から始まる恋の道

これは、中学2年生の時に好きになった先輩との恋の話です。
その先輩は、A子さんというバリバリのヤンキーで、僕はごく普通の中学生、普段は関わることもない人でした。


 同じクラスに僕の幼なじみのヤンキーのR男がいたのですが、僕は彼と一緒に行動することがありました。
放課になると、学校内をウロウロしたり、だんだんと行動を共にする時間が長くなりました。


 学校の行事で、音楽発表会があった時のことですが、その練習が放課後にあるということで、毎日残らなければいけなくなりました。

僕は音楽発表会の練習が嫌いで、R男と抜け出していました。

廊下をコソコソ歩いていると偶然、3年生のA子さんと、友達のB子さんに会いました。


R男は顔見知りだったので、挨拶をして会話をしていましたが、僕は頭を下げる程度でした。

2人ともとても大人っぽく見えました。

でもちょっと怖いなぁという印象でした。


しかし2人は僕のことを知っていました。

なぜ知っているのか聞くと、「君のお兄さんを知っているんだよ」と教えてくれました。


 それから、僕は、2人と少しずつ会話をするようになりました。

音楽発表会の練習を抜け出すたびに、顔を合わせるようになりました。


会う回数を重ねるごとに、だんだんと明日も会えるといいなと思うようになりました。

それから毎日、放課後は4人で会うようになりました。


恋バナや、映画の話など、いろいろなことを話しました。

特にA子さんは僕に「タメ口でいいよ」とか、「気を使わなくていいよ」と言ってくれてすごく優しくしてくれました。


放課後以外で校内で会った時も、ニコッと笑いながら手を振ってくれました。
ある日、いつものように練習を抜け出そうとしたら、担任の先生に「こら、お前どこ行くんだ!」と運悪く止められてしまいました。


R男は隙を見て行ってしまいましたが、僕は腕を掴まれて引き戻されてしまいました。

その日は最後まで出られず、先輩たちに会うことはできませんでした。


  次の日、R男から、「昨日先輩たち、お前がいなくて寂しがってたぞ、特にA子さんは。あの人、お前のこと好きなんじゃない?」と言われました。「冗談だろ」と返しましたが、内心ドキドキしていました。

それから、僕はA子さんのことが気になって仕方がありませんでした。


 ところが次の日も、その次の日も、先生に監視され、抜け出すことができずにいました。

3日間、顔を合わすことがなく、モヤモヤしていました。

そして、A子さん達は学校にもあまり来なくなり、音楽発表会が終わって、練習がなくなると、僕は部活があったので、放課後に会うこともなくなってしまいました。


  後々、R男に、「お前が何日も来れなかった時、A子さんは本当に寂しがってたよ。」と言われました。
  あの時、勇気を出してちゃんと告白できていたら、もっと楽しい時間を過ごせたと思います。


後悔していますが、あの時の恋愛は、青春だったな、と今も思い出します。

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