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母ちゃん、遅いよ
せいじ
公開日|2022.05.01
更新日|2022.05.01
私が就活をした頃は就職氷河期真っ只中、そのため、新卒で正規雇用されることはなく、30歳になるまではフリーターをしていた。
母親、「ニートをしているなら帰って来なさい」
私、「ニートじゃないよ、一応働いているよ」
親には黙っていたが、大学を卒業すると借りていたアパートを追い出され、フリーターをしていた時はネットカフェを転々としていた。
31歳で正規雇用されたため、婚期を逃してしまい、結婚相手が見付かったのは40歳になってから。
結婚相手は私と同い年、そのため、子供は諦めた。
母親、「親戚の人が結婚式は挙げないのって聞いてるわよ」
母親を心配させたくないため、結婚式を挙げるお金が無いとは言えなかった。
親戚の叔父さん、「結婚式を挙げないと一人前の男じゃねえぞ」
親戚の叔母さん、「結婚式を挙げないと親が肩身の狭い思いをするのよ」
彼女、「お母さんのためにも結婚式を挙げよ、小さな結婚式でも良いじゃない」
母親のためでもあるが、私の母親のことを気遣ってくれる彼女のためにも結婚式を挙げよう。
歳を取っての結婚のため、親も親戚も歳を取っており車の運転が難しくバスをチャーターし、親と親戚はそのバスで披露宴会場に来てもらうことにした。
結婚の披露宴は12時から、17時からは別の披露宴が入っていたため、私達の披露宴は15時までには終わらなければならないのだが、12時を過ぎても私の親戚だけが誰も来ない。
私、「母ちゃん、今、どこ?披露宴の開始時間が過ぎてるよ」
母親、「渋滞にハマって、まだ、〇〇」
〇〇から披露宴会場までは順調に来れたとしても1時間は掛かる、彼女の親戚からは「まだ来ないのか!」と叱れ、「スイマセン」。
ようやく母親らを乗せたバスは着いたのだが、既に次の披露宴が始まっており、せっかく大金を支払ったのに晴れ姿を見せることが出来なかった。
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