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結婚を考えていた彼の母親は、実は近隣で有名な悪質クレーマーだった
きよみ
公開日|2022.03.01
更新日|2022.03.01
当時婚活パーティで知り合った彼はとても優しく、趣味や価値観も近くて一緒にいるだけでとても楽しい自慢の恋人でした。
付き合ってからしばらく経ったある日、私は久しぶりに実家へ帰省しました。
母親に聞かれるままに近況報告をしているうちに、
「そういえばあんた、婚活するって言ってたけど彼氏できたの?」
と尋ねられました。
「彼氏?いるよー」
「あら、おめでとう。どこの人なの?」
「実家は同じ市内みたいだよ。お母さんの働いてるA銀行の近くだって。◯◯さんって言うんだけど……」
その時、母の表情が曇りました。
「◯◯さん?もしかして、漢字はこういう字?」
なぜそんなことを聞くのだろうと不思議に思いながらも、
私は「そうだよ」と答えました。
彼の苗字は少し変わっており、この辺りではあまりない漢字なのです。
すると、母親は
「うちの銀行の近くに住んでる◯◯さんでしょ?こんなこと言いたくないけど、やめた方がいいわよ」
と……。
理由を尋ねると、なんと彼の母親は、近隣で有名なクレーマーと同一人物かもしれない、と言うのです。
近くの銀行や病院、役所にコンビニなど、あらゆる窓口で因縁をつけては理不尽に喚き散らし、職員に謝らせるのが好きなおばさんなのだそうです。
営業妨害で何度も警察を呼ばれていますが、一向に収まらないのだとか。
私はまさか……と思いましたが、念のため、母親からそのおばさんの名前を聞き出しました。
そして次に彼に会ったとき、勇気を出して
「ねえ、◯◯くんのお母さんって、B子さんって名前だったりする?」
と聞いてみました。
すると……彼はサッと顔色を変えて、
「誰から聞いたの?」
と……。
正直に、B子さんの噂を聞いたと伝えると、彼は
「隠してもいずれはわかることだから言うけど、実は……その噂は本当の話なんだ。うちの母親、かなり頭がおかしくて……。近所で迷惑をかけて警察を呼ばれているのは本当なんだ。でも、今は別居してるし、ほとんど離縁してるからきみには迷惑はかけないよ。きみと本気で結婚したいんだ」
と言ってきました。
私はショックを受けましたが、一旦は彼の言葉を信じてみることにしました。
それからしばらくしたある日、たまたま用事があって、彼の実家の近くの役所へ出かけました。
すると、窓口で喚き散らかしている女性の姿が……。
酔っ払っているのか乱れた服装で、口汚い言葉で職員に対して暴言を叫んでいます。
びっくりして目を奪われていると、職員の方が小声で女性に
「◯◯様、他の方のご迷惑になりますのであちらの席へ……」
と耳打ちしているのが聞こえてきました。
彼の苗字でした。もう、頭が真っ白になってしまい、用事もそこそこにその場を後にしました。
彼はああ言ってくれたけど、結婚したらあのおばさんが私の義母になる……。
そう考えるととても耐えられる気がしなくて、彼のことは大好きだったのですがお別れすることにしました。
今でも、あの義母さえいなければ彼と結婚していたのに……と後悔することがあります。
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