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“本気で好きになる前でよかった”
塩すずめちゃん
公開日|2022.09.26
更新日|2022.09.26
中学3年生のクラス替えで一緒になったともちゃん。
お互い顔は知っていたものの喋ったことはなく、席が隣同士になったのを機に仲良くなった。
ともちゃんは同じ学年に好きな人がいて、その人のどんなところが素敵なのかよく話してくれた。
しかし「まだそこまで信頼関係が出来上がっていない」という理由で名前は教えてくれなかった。
あるとき、インフルエンザにかかって1週間学校を休んだともちゃんのためにノートをコピーしたり、課題を手伝ったことでようやくともちゃんの信用を勝ち取ることができた。
その日の夜「じゃあ特別に教えてあげる」と言って、
電話なのにヒソヒソ声で好きな人の名前を教えてくれた。
同じクラスの大久保くんだった。
大久保くんは隣のクラスのえみちゃんと、2年の時から付き合っていることをともちゃんは知らなかった。
「大久保くんに告白していいかな、付き合えると思う?」
ここで言わなければきっとともちゃんは傷つくと思い、勇気を出して言った。
「大久保くん、2組のえみちゃんと去年から付き合ってる」
電話越しにともちゃんの顔色が変わったのがわかった。
数秒の沈黙の後、ともちゃんの振り絞るような声が聞こえた。
「そっか。まだ本気で好きになる前でよかった」
意地らしかった。
その5年後、自分も告白した相手に彼女がいることを告げられ、
当時のともちゃんの心境を改めて理解することになる。あれは本当にきつい。
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