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遠距離の結末
e.nkm
公開日|2022.04.14
更新日|2022.04.14
高校生の頃出逢った彼と付き合ってもうすぐ3年と言う頃、高校の卒業がやってきました。
私は都内で就職、彼は県内で専門学生。でも私たちは変わらない!そう思っていました。
私の引っ越しの日、彼は私の両親と共にお手伝いに来てくれ、作業中は終始楽しそうにしていましたが、帰る車の中では終始号泣していたと母と父に聞きました。
私は就職先の研修が始まり、彼も県北へ引っ越し学生生活が始まりました。
お互い環境が変わり必死でした。連絡が取れない日もありましたが、月に一度は会っていました。
引っ越してから三カ月が過ぎた頃彼から「別れよう」と急にメールが来ました。
私は受け入れられず、仕事終わりに電車で2時間掛かる彼の家へそのまま行きました。
彼は冷たかった。「なんできたの?」とひと言だけでした。
なぜ別れるのか理由を教えて欲しいという私に、「学校で好きな子ができた」と言われました。彼は「駅まで送る」と言うと靴を履き玄関を開けました。
私も付いていくしかありませんでした。
駅に着き「かえりな」と言う彼の言葉を聞き、駅で号泣しながら「帰らない!」と言うと冷たい目で「俺は帰るから」と背中を向けて去って行きました。
どうしようもありませんでした。電車に乗った所は覚えていますが、家までどうやって帰ったのか全く覚えていません。ご飯も食べれないほど落ち込みました。
すると、別れて一カ月たった頃彼から「一晩泊めてくれないか」と連絡が来ました。
彼の住んでいる家の都合で一晩家を空けなければいけないという事でした。
「頼める立場じゃないけど…」と言う彼に私は「全然いいよ!きなよ!」と一つ返事をしました。友人という立場でもいいから繋がっていたかったのです。
最初はぎこちなかったですが、談笑しながら食事をし二人で眠りました。
朝彼が出ていく時、「俺は行ってきますって出て行くから。必ずただいま!って言える日が来るからね」といいキスをして出て行きました。
私はこの言葉を信じて何年も待ち続けました。
友人からはそんな言葉信じるなと散々言われましたが、初めての仕事、初めての一人暮らしの最中の私はこの言葉にすがるしかなかったのです。
実際彼の携帯は繋がらなくなっていましたが、それでも待っていました。
別れから1年たった頃、家庭の事情で私は退職し地元に戻りました。
ですが、実家の状況は最悪で「東京に帰りたい」と友人に泣きながら話す日々を送っていました。
ある夜、知らない携帯から着信が…。恐る恐る電話に出ると、元彼からの電話でした。
「俺だけど…俺が告白した場所に1時間後集合な」とだけ言うと電話は切れました。
私は急いで向い、着いた頃には既に彼がいました。
久しぶり!とあの頃と変わらない彼がいました。世間話をした後彼が唐突に話始めました。
私が毎日泣いている事を友達から聞いた事。励ましてほしいと言われた事。
単純に嬉しかった。心配してくれているんだと私は思いました。
ですが、次に彼の口から出た言葉は残酷でした。
「俺、結婚するんだ。だからもう待つなよ…ごめん…」
頭が真っ白になりました。涙がこぼれました。
あの時別れた理由は、彼と付き合う前に付き合っていた子が同じ専門学校にいて、「お前の彼女俺の初カノなんだよ!」「付き合っている時はこうで~」など話をされ自信が無くなってしまったと…
私からすればそんな理由で?と思いましたが彼は悩んでいたそうです。
そして、「俺の事は忘れて幸せになって?幸せに出来なくて、ごめん…」と彼は言い、じゃあなと帰って行きました。私はその場でしばらく泣き崩れていました。
その後友人から彼が出来ちゃった結婚したと聞きました。
受け止めるまでに時間がかかりましたが、
青春時代を一緒に過ごしてくれてありがとう!幸せになってね!私も幸せになる!
と今では思えています。
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