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俺も頑張らなきゃ
ロバート葛飾
公開日|2022.03.10
更新日|2022.03.10
交際半年の彼女、「私達って、友達だよね?」
私、「ハア!?お前、ナニを言ってるの?」
彼女、「悪いけど、友達ってことにしてくれない?」
私、「どうして?親に何か言われたの?」
彼女、「親じゃない」
私、「先輩に何か言われたの?」
彼女、「違う」
私、「だったら誰だよ?」
彼女、「事務所の社長」
私、「事務所って何だよ」」
彼女、「実は私、タレント事務所に入ってるの?」
私、「お前、何を言ってるの?」
彼女、「信じてくれないだろうけど、私、小学生の時からタレント事務所に入ってたの?」
私、「ウソでしょ?」
私が彼女の言葉を信じられないのは、彼女はクラスの中でも一番人気ではなく、しかも、人前に出るのが苦手な大人しい性格な女の子だから。
翌日、学校に行くと
担任の先生、「Aさん(彼女のこと)は、急遽、転校しました」
クラスメイト達、「えー、どうして?」
先生、「諸事情があって今は言えません」
彼女が転校した当初はクラスメイトはザワ付いたが、1週間も経つと誰も彼女の話をしなくなった。
彼女が転校して半年ほど経つと
クラスメイト①、「昨日、Aちゃんに似てる女の子が〇〇〇に出てた」
クラスメイト②、「私も、その〇〇〇を見たけど、Aちゃんかな?」
クラスメイト③、「似てるだけで、Aちゃんじゃないよ」
それから数ヶ月後、
クラスメイト①、「〇〇にAちゃんに似てる女の子のポスターが貼ってあった」
クラスメイト②、「私も、そのポスターを見たけど、Aちゃんかな?」
クラスメイト③、「何のポスターなの?」
クラスメイト①、「コンサートのポスター」
クラスメイト②、「Aちゃんがコンサートをするの?有りえないでしょ?」
その言葉に他のクラスメイトは頷いたのだが、私はそのコンサートを見に行った。
収容人数300名ほどの小さなコンサートだが、客席からだと歌っている人の顔は良く見えない。
コンサートが終わるとサイン会。
サイン会には数百人のファンが並び、私も並んだ。
サインを書いてもらっている間に、タレントとファンは話すことが出来る。
私の番が回って来た時に
私、「もしかして、Aちゃん?」
コンサートを行ったタレントさん、「・・・」
私、「僕だよ」
タレントさん、「・・・」
やはり、人違いかと思い、頂いたサイン色紙は鞄に入れようとすると、色紙の裏に電話番号が書いてあった。
家に帰る途中、その番号に掛けてみると
私、「もしもし」
タレントさん、「コンサートに来てくれてありがとう、私って分かった?」
私、「やはり、Aちゃんだったの?」
A(コンサートを行ったタレント)「うん、そうだよ」
私、「・・・」
A、「どうしたの?」
私、「・・・」
A、「泣かないでよ、私も泣いちゃうじゃない」
私、「ごめん、会えて嬉しいから」
A、「私もよ」
それからは、Aちゃんの人気は急上昇。
コンサートの収容人数は300人から1000人、3000人、5000人とあっという間に増えたが、夜11時には必ずAちゃんからメールが来る。
私、「電話はダメなの?」
A、「マネージャーさんに聞かれたら電話を取り上げられちゃう」
私、「会いたいよ」
A、「私も会いたい」
コンサートの収容人数が増えると、Aちゃんに付くマネージャーさんの人数も増えてしまい、メールのやり取りも困難になった。
Aちゃんが転校して2年後、地元の者が騒いだ、なぜなら、〇〇〇に私とAが一緒に映ったから。
A、「おめでとうございます」
私、「ありがとうごいます」
私が〇〇〇に出られたのは、部活の〇〇大会で優勝をしたから。
カメラの前では普通にしていたが、カメラの映らないところで私とAは手を繋いでいた。
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