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漁師町と彼女との決別
山さん 男性
公開日|2024.03.07
更新日|2024.03.07
当時の私は、地元の漁師業が立ち行かなくなり、ひなびた漁師町を後にする決断をしたものの、その夢や新たな可能性に胸を膨らませていました。私にとって都会は未知の世界であり、新しいチャンスや出会いが待っていると信じていました。引越しの話は付き合っていた彼女も当然賛成してくれてついてきてくれると思い込んでいたのですが、猛烈に反対され喧嘩が耐えませんでした。
漁師業は本当に限界でした。、漁はもう続けられない。海の風景も波の音も好きだけど、生計を立てるのがつらかったです。とにかく都会は新しい可能性が広がってると思っていました。彼女とも一緒に行きたかったけれど、彼女は納得してくれませんでした。自分の夢と彼女との間で板挟みになってしまいました。
新しい場所でのチャンスと、彼女との幸せ。とても辛い二者択一でした。胸が乾く嫌な感覚を今でも覚えています。悩んだ末、未来に賭ける覚悟をとりました。決断を告げてからは喧嘩も会話も殆ど無くなりました。
最後の日はとても晴れていました。まるで自然も私の心情を反映してるみたいでした。彼女と向き合った時、彼女の目には涙が光っていました。私の荷物を持って、ずっと引っ張ってきてくれました。でも彼女は都会に行くことを受け入れられなかった。怒りと悲しみが混ざった表情で、私を見つめていました。
彼女の「今までありがとう」という言葉が、私の胸を打ちました。でも私はもう一歩も引かなかった。漁師町を捨てる覚悟はとっくに決まっていました。それが辛いけど、私の選択でした。最後に彼女の手を握って、背を向けました。その時、心がちぎれる音が聞こえたような気がしました。
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