理想と真逆な男性に出逢い結婚

彼と出逢ったのは私が25歳の時。

まだまだ夜遊びを楽しんでいた時期で、その日も友人と飲みに出かけていました。

私の友人も一緒に遊ぶ仲間も皆明るく、ノリがいい人達ばかり。

学校のクラスで言うと常に目立つ存在、そんな友人が多かったです。

そしてそんな男性が私も好みでした。

そんないつもと変わらない楽しい夜を過ごしていると、物静かな男性に声をかけられました。

「僕の友達があなたの携帯番号を聞きたがっている。」そう言われました。

言われた先を見ると、物静かそうな男性が座っていました。

その男性が後に結婚する現在の旦那です。

彼は恥ずかしそうに自己紹介をしてくれたのですが、とても緊張しているのがすぐに分かりました。

きっと内気な性格ながらも一生懸命に話していたのでしょう。

今までも男性に声をかけられることはあったのですが、このようなタイプの男性からは初めてでした。

その時の私は彼に全く興味もなく、友人と楽しい時間を過ごしていたのもあり、その場しのぎで携帯の番号を渡しました。

しかしその番号は私の番号ではなくデタラメな番号。

今思うと、素直にごめんなさいとお断りをすれば良かったのですが、なんて失礼な対応をしたのだろうかと後悔しています。

結局その時はほぼ会話もせずに番号を渡して終わりました。

私の中ではもう二度と彼に会うこともなければ、彼が私に連絡することも出来ないので何も考えていませんでした。

そんな内気な彼に声をかけられたことなどすっかり忘れていつもの日常生活を過ごしていました。

25歳だった私は色々な人に出逢う機会も多く、内気な彼の存在など完全に忘れていたのです。

彼に出逢った日からおそらく2週間後くらいだったと思います、その日も友人と飲みに出かけていました。

するとあの内気な彼にバッタリ遭遇しました。

彼の存在など忘れていたにも関わらず、彼を見た瞬間にすぐに思い出しました。

彼は勇気を振り絞って私の携帯番号を聞いてきました。

今回は友人に頼るのではなく、自分で聞いてきたのです。

いつもの私だったら正直面倒くさいなと思うはずなのですが、今回はなぜか違いました。

何だか全く嫌な気にならなかったのです。

私は本当の携帯番号を渡しました。

そして彼は満足したのか、前回同様ほぼ会話もしないまま帰っていきました。

彼に番号を渡した後すぐに連絡が来ました。

彼らしい丁寧なメールでした。

そんなメールをもらうこともなかなかなかったので何だか不思議な感覚でした。

彼はメールでは意外にも積極的だったので驚きました。

顔を見て直接話すのは緊張するタイプだったのでしょう。

彼は毎日マメに連絡をしてくれていました。

さらにはこの頃すでに私に好意があることも伝えてくれました。

毎日連絡をとるのが苦手だった私が、彼からの連絡が全く苦ではなかったのです。

やり取りを繰り返す中、彼からデートのお誘いが来ました。

メールでは積極的な彼でしたが、デートに誘うタイミングを見計らっていたのでしょうか。

お誘いが来るまで時間がかかりました。

私はもちろん悩むことなくオッケーと返事。

その頃の私は不思議と彼に興味があったのです。

デートの時は相変わらず大人しい彼でしたが、真面目な顔をして面白いことを話すユーモアがある人でした。

大声を出して笑う私とは反対に物静かに笑う彼でしたが、私には何だか居心地のいい空間でした。

デートを重ねていくうちに、私の方が彼に惹かれていきお付き合いすることになりました。

それからの展開は早く、数年の交際ののち結婚、そして現在子供にも恵まれました。

旦那は出会った頃と全く変わることなく、いつも私に優しく接してくれます。

私に気に入られようと作り込んだ性格ではなく、最初からありのままの自分を見せてくれていた旦那。

現在も変わることなく物静かで穏やかな性格です。

もちろん大声を出して笑ったり、テンションが上がることは全くないのですが、私はそんな旦那の性格、そして今は顔も大好きです。

理想の男性像とはかけ離れた旦那だったのですが、今ではこんな素敵な男性は他にはいないと思う程です。

きっと理想とする男性ばかり追い求めていたら決して出逢うことのなかったタイプの旦那。

内気ながらも勇気を振り絞って私に番号を聞いてくれたことに本当に感謝しています。