一人娘との恋愛や結婚での条件として誠心誠意尽くした話

先ず、筆者自身のことになりますが、大学を出てそこそこの頃、田舎である福島いわきの会社勤務から、東京の大手町本社へ転勤になり、どちらかと言えば会社の世話で大田区・六郷地域に居を移したのでした。

多摩川の土手の見える六郷地区は京浜急行の六郷土手駅があり、東京よりの多摩川堤のすぐ近くで風光のよいところでありました。


通勤は私鉄・京急で品川乗換え、後は山手線か京浜東北で東京駅まで一直線。

部屋は1DKの広さであり、6畳の和室に6畳のDKが付いていた。

家賃は3万円、実は会社で半分程度、援助して呉れてたみたいです。


休日は、会社の同僚や大学時代の仲間を呼んで、麻雀に講じ、夜になると近所の安酒場でいっぱいやるという、極めて平凡なしかもチョットバンカラ(やや不良じみている感じ)な暮らしでもあったのです。 だが、小生の人生が一寸、変わりかけたのである・・、実は彼女が出来たんです。


同じ会社の別の課の人であったが、社員旅行の時、いろいろ話す機会があり、伺ったところ川崎の人という。

ただ川崎と言っても多摩区という市街地の中心地域からは程遠いところでしたが。

ある日、一発当たりを付けて茶飲み(デート)に誘ったところ快くOKしてもらい、後は数度のデートを重ねました。


楽しかったのは会社が引けた後、東京駅から八重洲、銀座4丁目をブラブラ歩いて、新橋でお茶をしたり、いっぱい飲んだりしたことでしょう。

そして、遂に我が小さなマイホームへ誘い込み、男と女になりました。

そこで結婚という話になりましたが、ただ、彼女の実家というのは当地域の旧家であり、今は両親と3人ぐらしということでした。


結婚となると大事な一人娘を頂くわけですが、其の結婚の条件としてごく近い将来に彼女の実家の家の近くに新居を構えて、彼女自身を始め私達がいつでも訪問できるような環境にあることを条件として両親を説得し許しを得たのでした。


元より、結婚というのは両性の合意はあれば良い、ということにはなっているらしいが、それでも当人同士だけが満足すれば良いというものでもないし、親や家ということに関しては昔からの伝統や風習、習慣というものもあります。


そんなことで私達はそれらに反すること無く、全ての人達が満足のいく、納得のいく恋愛や結婚というのが理想であり最高であると考えた次第です。

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