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彼との初めてのクリスマス記念日が、将来が見えたシビアな日に変わった時。
HIKARU
公開日|2022.04.11
更新日|2022.04.11
あれは23歳の頃の事。
当時の私は、好きな仕事で充実した毎日を過ごし、実家で自由に暮らしていました。
そんなある日。
両親が体調を崩したため、治るまで家族の面倒を見ながら過ごした時期があります。
ほんの半年ほどでしたが、心配な上にとても大変でした。
会社にも事情を話し、落ち着くまでは仕事後すぐに家へ帰れるようにしていただき、
家の家事は、全て私がこなしていました。
何よりも、両親がはやく元気になってくれる事を望んでいました。
そうした忙しい中、仕事の関連で出会った、一つ年上の彼。
食事の誘いを受けるようになったものの、夜遅い時間しか自由に動けない私は交際どころではなく、
お断りばかりしていました。
ですが、ある時に事情を話すと、彼が「僕も何か応援するよ。家族を大切にする君が好きだ。」と言ってくれたので、
それからはおつきあいを始めました。
体調が少しずつ良くなってきた両親も、私に恋人ができた事を喜んでくれて、
落ち着いたら家へ招待して食事でもしたいね、とまで話してくれていたんです。
ところが、数ヵ月経っていくうちに、彼は支える事など一度もなく、文句を言い始めました。
「日曜くらい遊びたいのに」「本当は俺の部屋で泊っていってほしい」などです。
どんなに状況を説明しても、ムっとしたまま彼が黙る場面が出てきました。
確かに、ゆっくり過ごせない数ヵ月でしたので、気持ちはわかります。
両親の体調がだんだんと良くなってきたので、あと少し待ってね、と毎回話していた私。
そうして、初めてのクリスマスの日。
仕事を終え、実家での家事や対応をした後、彼の家に着いたのは夜10時半頃。
かなり慌てて向かったのを覚えています。
なのに、彼の部屋で見たのは、食べかけのクリスマスケーキと料理。
事前に伝えていた予定時間から10分過ぎただけで、この状況。
さらに、そこから一時間ほど、説教が続きました。
「俺だって、結婚したら家族だよ?なんで親ばかり大事にするの」
「体調が良くなってきたなら、親が自分で家事をやればいい」
「放置されてヒマすぎるぞ」
「本気で俺が好きか?だったらこっちで朝まで過ごせ」
彼には、まだ不安定な両親の状態を詳しく説明していました。
私は、疲れて家で休みたい時でも、彼から連絡が来たらできるだけ早く夜会いに行っていました。
仕事と家事の両立と看護疲れでくたくたな私へ、ねぎらいの言葉すら一度も言った事がない彼。
本当は、その日出かける直前に、両親が「今日は朝まで遊んでおいで。」と言ってくれたのです。
「だいぶ落ち着いてきたから大丈夫。何かあったらすぐ連絡するから。」とも。
ですが、一緒に過ごす気持ちが、今までの態度や彼のそうした言葉ですっかり消えてしまいました。
最初の言葉とは裏腹な現実にやっと目が覚め、この人とは長くつきあえないと冷静にわかった私。
「もしも、結婚して貴方の親が体調を崩した時は、どうするの?」ととりあえず聞いてみると
「親を大事にするのは当たり前だ。嫁としてずっと面倒見てもらうよ。そういう所は君を信頼してる。」との事。
いやいや、「そういう所」って何ですか、それ以外は信頼していないのですか。
貴方は実際、こちらの親の体調を気遣う言葉もなく、途中からは文句まで言ってましたよね…?
…そんな思いが心の中ですらすらと浮かび、特に彼の最後の言葉でさらに気持ちが冷めました。
後日こちらから振りましたが、おつきあいが長くなる前に目が覚めて本当に良かったです。
最後は、泣いてすがってきた彼。
ちょうど仕事先でも関係が切れた相手だったので丁度良かったです。
未来の為に悪縁を断ち切れたので良しとしていますが、本当にひどいクリスマスの記念日でした。
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