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喧嘩ばかりしていた彼との誕生日ディナークルーズ
ちぇる.
公開日｜2022.06.19
更新日｜2022.06.19
私と彼は、20歳の時に共通の知り合いを介して出逢いました。
初対面から意気投合し、相思相愛になりました。
しかし、出逢ってすぐに彼は大学の研修でベトナム・カンボジアに行ってしまい、お付き合いすることはありませんでした。
2ヶ月後、彼は帰国し、その足で私に会いに来てくれて告白をしてくれました。
その日からお付き合いが始まりました。
彼とは気が合い、最初の2年までは週2くらいのペースで会い、楽しく過ごしていたのですが、マンネリ化してしまったのか、徐々に私と彼の歯車が合わなくなりました。
そうなると喧嘩が増えます。
3年目には、会うたびに喧嘩をし、私が怒ってデートの途中で帰宅してしまうことも増えました。
喧嘩の内容も、怒鳴り合ったり私が物を投げつけたりと、酷いものでした。
お付き合いして4年経った頃、私も20代半ばになり、そろそろ先のことも考えようと思い「彼と別れようかな」と、思うようになりました。
そんな時、私の誕生日を迎えます。
私はもう彼には会いたく無く「誕生日も何もしなくていいよ」と伝えていたのですが、彼からディナーのお誘いがありました。
「予約してある」と言われ、私も別に彼を嫌いになった訳ではないので、待ち合わせ場所に向かいました。
すると彼は「俺に付いて来て」と、海の方へ向かいました。
目の前にはロイヤルウィングが停まっており、突然「これに乗るから」と言われました。
私は何が何だか分かりませんでしたが、言われるがまま、彼に付いて船に乗り込みました。
「船でのディナーなんて奮発したね」などと話しながら歩いていると、更に驚いたのが、レストランでは無く、彼が予約したのは「貴賓室」だったのです。
その時の彼は就職して2年の一般社員で、決してお金に余裕があるわけではありませんでした。
貴賓室では、お姫様待遇で、コース料理の他にシャンパン、写真サービス、更には生演奏のサービスもありました。
船の操縦席を見ることもでき、現実離れし過ぎて「こんな贅沢な誕生日プレゼントがあるのか」と、ふわふわした気持ちになりました。
船のデッキで夜景を見ていると、彼が「いつも喧嘩ばっかりだけど、俺の気持ちは変わらないし、ずっと一緒に居たいと思ってる」と言ってくれて、こんな素敵な誕生日プレゼントまで用意してくれて、彼の言葉に嘘偽りは無いと思い、もう一度、彼との関係を築く決心をしました。
後にも先にもこれ以上のデートは無いと思っています。
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