インターネットを使っていると、たまに見かける「喪女」という言葉。一般の会話文で使われることは少ないため、一体どういう意味か疑問に思っている方も多いようです。

実は、この言葉はインターネットスラング。一般の国語辞典で調べても、掲載されていません。

今回は「喪女」という言葉の意味や使われ方、そのように呼ばれる女性の特徴(ステレオタイプ)についてご紹介していきます。

目次

「喪女」って一体何ですか? 意味を紹介


「喪女」は「もじょ」または「もおんな」と読みます。“モテない女性”という意味があり、とくに、“彼氏居ない歴=年齢”のような、極端に恋愛経験の少ない女性を指すようです。


「喪女」の語源・発祥|「喪男」という言葉も

「喪女」の語源は、匿名掲示板2chだとされています。「モテない女」→「も女」→「喪女」となったそう。

その当時より2chには「もてない女板」という掲示板があり、そこは通称「喪女板」と呼ばれていました。現在では、他の匿名掲示板やSNSでもこのスラングが使われていますよ。

同様に、モテない男性は「喪男」と呼ばれたり、自称されたりすることも。女性だけではないのですね。

「モテない」の「も」に「喪」という漢字が当てられたのは、「特徴・性格・見た目」の項目で後述するような、独特のネガティブな雰囲気を感じたためだといわれています。

「喪女」という言葉の使われ方・使用例

「喪女」や「喪男」という言葉は、やや蔑むようなニュアンスで使われるため、使用する際は注意が必要です。

とくに他者のことを指して使う際は、偏見も含んだ言葉である旨を理解しておく必要があります。

一方、「モテない」という自覚のある方が、自虐ネタとして掲示板やSNSで活用している場面も多いようです。

《実際の使われ方の例》

・彼氏居ない歴=年齢の喪女なんだが、質問ある?
・婚期を逃した喪女の黒歴史を晒す

稀に、3年間彼氏がいないという経験から「喪女歴3年」と自称するような使われ方もしますが、「恋愛経験があるなら喪女じゃない」という指摘もあり、やはり定義が曖昧です。

なんとなく“モテない女性”という、ふわっとした印象で使われているのが実情でしょう。


「喪女」の特徴・性格・見た目(ステレオタイプ)


恋愛経験の少ない女性であっても、単純に良い異性と出会うきっかけが無かったり、置かれた環境に異性が少なかったりといった背景から、ご縁がなかった場合もあるでしょう。

性格面も同様、何も問題が無くただ単に内気な場合もあるでしょうし、ちょっぴりクセのある場合も。なかなか一括りにはできません。

とくに掲示板に書き込みしている「喪女」たちからは、ある一定の傾向が読み取れる節もあり、次のような特徴がステレオタイプとして語られています。

・卑屈でネガティブな発言が多い
・被害者のマインドをもっている
・他責思考がある
・洒落っ気がない
・思い込みが激しい
・告白された経験や交際経験がない
・純潔を守っている


(※当然、これはネット上に書き込みをしている一部の女性のものです。恋愛経験の少ない女性全てに当てはまる訳ではないので、くれぐれも偏見は持たないようにしましょう。)


【あるある】自称喪女さんがやりがちな行動


“喪女のあるある”について、自称喪女さん当事者の体験談をリサーチしたところ、“男性を極端に理想化してしまう”という共通の“あるある”が見えてきました

日頃男性との関わりが少ないために、一般的に語られる固定観念にとらわれた対応や行動になってしまうようです。

常に女性側の話ばかりを見聞きしている状況ですので、受け取っている情報と経験のアンバランスさが男性とのすれ違いを生み、悪循環となっている節も。

また、ご自身の恋愛経験の無さをコンプレックスに感じていらっしゃるようで、Web上の掲示板や動画サイト、SNSでも、ネガティブな言動が多く見受けられました

「喪女」ならではの“勘違い”とは?

ネット上の「喪女」の方は、傍から見ると「さすがにそれは考えすぎじゃ……」という“勘違い”も多いようです。

・可能性が0ではないのに、なぜか今後も彼氏ができないと確信している
・卑屈さを語ることは、謙虚だと思っている
・さまざまなコンプレックスを言い訳にして、彼氏を作るための行動をしていない
・「どうせ男は……」と責任転嫁して、自身の言動を省みない
・自分の気持ちと相手の気持ちを混同してしまう
・「オシャレしても馬鹿にされる……」といった被害者的な思想がある

ストレートなコメントが交わされる匿名サービスでは、良くも悪くもこのような手厳しい指摘が散見されました。

本当は、ご本人には良いところもたくさんあるはずなので、“勘違い”でチャンスを逃してしまうのはもったいないかもしれません。


勘違いでもいい!「喪女」を卒業するために


もし「喪女」を卒業したいと思うなら、まずは男性との接触を増やして、相手の内面を知る経験が大切。恋愛の際には、多少“勘違い”があったとしても大丈夫なのです。

経験が少ない頃の恋愛には失敗はつきものですから、どんなにモテる人でもかつて周囲からからかわれたり、笑われたりした経験が当然あるはず。そういった悔しさ、恥ずかしさは、経験値として蓄積されていきます。

異性との交流が少ないのならなおさら、うまく行かなくて当然だと割り切ってみてはいかがでしょうか。その都度、失敗を修正する勇気とマインドを持てば大丈夫です。

「どうせできない」「あのときもこうだった」と、過去の経験からの決めつけを控え、未来を自分で変えられると信じていきましょう。

「喪女」と付き合いたいと思う男性へ


一般的にネガティブな印象で語られてしまう「喪女」。しかし、これまでお話してきた特徴を多面的に考えてみると、慎ましやかであるとか、控えめであると捉えることも可能です。

また、洒落っ気が無い点も同様に、素朴さや純真さがあるという面から捉えることもできます。当然ながら、こういった女性とお付き合いをしたい男性もいますよね。

有名な少女漫画「君に届け」のヒロイン、黒沼爽子ちゃんも、本来は性格がとても良い優しいキャラクターでしたが、陰気な雰囲気からその良さを理解されないところから物語が始まっています。

もしも「喪女」の方と恋愛をしたいなら、彼女たちの持っているコンプレックスに一緒に向き合っていく姿勢を見せるのが、良いアプローチではないでしょうか。

まとめ

今回は、「喪女」という言葉の意味や語源、使われ方や特徴についてご紹介してきました。

一般的にネガティブな意味合いで語られる、蔑みを含んだスラングですので、その点を充分に理解しておきましょう。

インターネット上では、個人のある一面だけが誇張されてしまうもの。だからこそ、語られるスラングのステレオタイプに囚われると、相手の本質を見誤ってしまうこともあります。

恋愛経験の少ない方を別の角度から見ると、控えめで素朴、慎ましいという魅力にも気づくはず。

偏見をフラットにして、さまざまな背景の方と分かりあえたら、きっとお互いに素敵な関係性が築けるはずですよ。