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煙草
まゆ
公開日|2023.07.11
更新日|2023.07.11
「まゆの女友達に声掛けてよ、俺達の行為を見て貰わない?きっと興奮するよ」「女もう一人増やして3Pしてみたい、相手募集しようよ」
ダイキとの付き合いには辟易する事も多かったが、特に呆れて別れ話をする発端になるのはこれらの発言だった。「今まで付き合って来た女にも誘ってたの?」そう聞くと「誘った事ないよ、まゆとの付き合いの中でこれを提案するのは、飽きたりマンネリ防止。こういう刺激がある方が長続きすると思う。二人の為にだよ」と返り、私がうんざりして別れたいと切り出すと「だったらいいよもう!お前なんかと付き合わなければ良かった!」「やっぱり別れられない、頼む、戻って」と叫ばれるのがお決まり。
よりを戻してまでまた言われたので、呆れながら『スワッピング相手募集掲示板』と『乱交相手募集掲示板』をGoogle検索で見つけてURLをLINEに送った。「私は参加出来ないけど、ここで相手を探して好きにして来て」続けてそう送ると「まゆとの交際の中の刺激になるようにと思ってるのに、まゆが参加しないなら意味が無いだろ」と返る。
「私は自分の大事な友人を差し出したり乱交したり、そこまで狂った事は出来ないから」「だから別れるって言うのかよ、ならいいよ、分かった」そんなやりとりをして20分もしないうち、着信が来る。「本気なのかよ、別れるの」そう聞くダイキに「本気です、もう無理」と答えると
「いいから黙って戻れよ!言う通りにしろこの野郎!」
と怒鳴られた。今までも声を荒らげた事は何度もあるが、ここまで大声で怒鳴られた事は無かった。だめだ、もう。いずれこいつは怒鳴るだけでなく私に手を上げる。心底感じ、黙って通話を切った。
感謝もしている。彼が私に、自分にはまだ異性を惹き付けるだけの魅力があったんだと気付かせてくれたから。そして戯れ言のような口調でも私に可愛い、綺麗だ、大好きと言ってくれた事も心地好かった。だから無駄で疲れる一年を過ごしてしまったが、後悔もしていないし恨んでもいない。ただ続行するのはもう御免、というだけ。
数日後、止んだダイキからのLINEに代わり車の中で何度か合瀬を重ねたあきさんからLINEが来た。「今日も会いたい。でも明日仕事だし遅くなれないから、今からは会いに行けない。叶わないからモヤモヤしてる」不満を溢すLINEに「土曜の夜なら空けられる」と返すと「土曜も仕事、会いたくて仕方ないのに会えないから辛い」と返る。性欲が強いんだ、とは本人が言っていた。だから会いたいは=セックスがしたい、というだけの事。だろうに、LINEでやりとりするうち
「他に男作らないで」「まゆが過去、他の男に後ろの穴に指を入れられたって聞いて、無性に腹が立った。俺はまだしてないのに」「俺は独占欲が強いんだ」
などの発言も出始めた。ただ抱きたい、それが第一だろうし他意は無いのだろうけど、何となくこちらも意識はしてしまう。けれどそこは不倫のルール。あからさまに好意を口に出すダイキは違反で、「好き」「愛してる」は言わない方が関係が重くなり過ぎなくて良い。だから私からも言わないし、あちらも決定的な言葉は出さない。「またそのうち、予定が合ったら会いに行くからね」そう送ると「やっぱり今すぐ会いたい、会おう」と来た。時刻はすでに午前1時、翌日お互いに仕事があるからどうしたって会うのは無理だ。「さすがにこの時間からは無理だよ、来週なら」そう送ったが、それきり返信は途絶えた。
寝落ちしたかな…そう思い何も言わず、翌日も返信が無いので私からも送らず、やりとりしなくなって5日が経った。私達は少し住んでいる場所が遠い。性欲が強いのになかなか会う時間が合わないから、私を見限り他の女を探しているか、もう見つかったかな。だとしても、まだ深く付き合っているわけではないからこちらも嫌とも思わない。連絡が途絶えたなら途絶えたで構わない。そう思っていたが5日後の夕方「すねてわざとメッセージ送らなかったんだ、でもそっちからもくれないから実は凄く寂しかった」と来た。なんだか子供のようだが、可愛いとも感じる。「忙しいからかと思ってた、ごめん」「嫌いになった?」「ならないよ」好き、と言う言葉を互いに何となく避けながらのやりとりの後「今日は会いたい、どうしても」と来たので「いいよ、私も会いたい」と返した。
あきさんは離婚して今は独身一人暮らし、娘二人も成人し独立している。あちらに家庭が無いのは私にとっては気が楽だ。経験人数はそれなりに多くセックスは上手い、モノも形が良く潮吹きは必ずさせてくれる。そして何より優しい。見た目も割りと好み。そしてあきさんとのキスは、甘いような味に混ざり苦味を少し感じる独特の味がする。何の味だろうと思っていたが、何回か会う中で彼が吸っているIQOSの味だと分かった。私はその味の混ざる激しいキスが嫌いじゃなく、むしろ好きだ。惰性で好いていないのに付き合っていたタカさんとも、サイコパスで自分のやりたい放題やるダイキとも違い、あきさんには私は今、確実に淡い好意がある。
でもそれは、言わない。不倫する中で愛してるだ好きだ、は言わないのがルールだと思う。言えば面倒になるだけだとダイキとの交際で思い知った。ただ、相手は欲しい。寂しさを埋めてくれる相手は。もしあきさんがダイキのように豹変せず優しいままなら、たまに会うだけの関係は続けたい。あちらが求める限り。
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