懇ろ

まゆ

まゆ

公開日|2023.09.13

更新日|2023.09.14

懇ろは『ねんごろ』と読む。親切な様を表す言葉でもあるが、親密な関係も表す言葉。彼はダイキの何十倍も優しく私達の関係も以前よりは親密になったので、題名にしてみた。

ほぼ二週間ぶりに会うやすは、相変わらずかっこいい。髪型も無地の白いシャツに黒いパンツを合わせたシンプルな服装も、少し垂れた目元も声も全部が私の好み。対する私は彼より年上、綺麗でもなく体も弛んだ私は自分に自信が持てない。それでも彼が私を気に入ってくれた事が嬉しく、浮き足立ちながら迎えに来てくれた彼の車の助手席に乗る。ホテルに入ってすぐ、彼が先にソファーに座り私の手を引き隣に座らせ抱き締めた。

「まゆの優しいところが好きだよ、一緒に居て楽しいし癒される。俺と付き合って欲しい」

彼から発されたその言葉は、私が待ちわびた言葉。私は彼を好きになり、彼と付き合いたかった。でも自分から言い出せず、また自分からその関係をねだりもしなかった。あくまであちらがその気なら、私は「はい」と言うだけ。体だけの関係を望むなら、それに対する答えも「嫌だ」ではなく「はい」。でもそれは本意ではなく、出来るならちゃんと彼女にして欲しかった。叶って嬉しい。服を着たままキスをして「お風呂一緒に入ろう」と言う彼に従い一緒にジャグジーバスに入った。

対面で浴槽に入り私を立て膝にさせると、彼が私の乳房に吸い付く。やがて浴槽の縁に足を広げて座らされ舌で愛撫された。「この姿勢恥ずかしい」と訴えるが「わざとだよ、興奮するでしょ?」と返されやめて貰えず。軽く絶頂するまで舐められた後は、仁王立ちした彼に誘導され私からも彼に口で奉仕。前回も感じたが、彼のモノはやっぱり今までに見た20人弱の男性らの誰よりも太い。どう頑張っても半分しか口に入らないが、それでも彼は「気持ちいい」と言いながら私の髪を撫でた。暗くした浴室で浴槽内のバスライトのみを点けた状態で、互いの肌にピンク色のライトが反射する。その様が私には何とも妖艶に思えて余計に興奮した。

ベッドに移ってからは、更に丁寧な愛撫を施された。じっくり舐められ濡れたら指を挿入され、それだけで私は身を捩らせてすぐに絶頂してしまう。彼の舌がクリトリスから膣口に移り愛液を音を立てて吸う、その感触と音にまた興奮し、私は挿入前なのに息が切れる程連続で絶頂した。そして彼のペニスが挿入される段階になったが、なかなか上手く入らない。やはりそれだけサイズが大きいから。やがて先端が挿入され「痛くない?」と聞かれたが「大丈夫、気持ちいいよ」と答える。すると一気に奥まで挿入された。

特に好いていなくても、フィーリングが合った相手とするセックスは楽しいし気持ちいい。でも、好いた相手とするセックスは体以上に気持ちが満たされる。やすとのセックスはダイキ以上に心身が満たされた。性格も見せかけではなく心から優しく、セックス中でさえ私への気遣いを凄く感じる。やがて中に射精され、射精後はベッドの中で抱き合って他愛ない会話をした。ダイキはいつも、出すだけ出したら私をベッドに放ったまますぐにタバコを吸いにソファーに向かい、飽きるまでスマホをいじる。そうでない時は寝入るのどちらか。そして欲求が満たされた帰りは駅まで着くと「食事して帰ろう」も何も無く「またね」と私を置いて踵を返す。でもやすは、事が済んでも私を離さない。例え私の方がスマホで時間を確認したり飲み物を取るのにベッドから離れても、待っていて両手を広げて「来て」と自分の胸に私を呼び戻す。こんな所一つも、二人は違った。フープピアスを付けた私の耳を弄り「前にもいくつか開けていた?」と聞く。若い頃はそれなりに派手にもしていたので、ピアスホールは両耳に3つずつ開けていた。

そんな話をしている最中、彼のスマホにメールが入った。確認した彼がため息混じりに「まただ、自傷癖のある子が手首切ったみたいだ」と呟いた。そこから彼が勤務している障害者グループホームの話になる。「ほんの数分若手スタッフが目を離したら、浴槽に利用者が仰向けで浮いてる。刃物の管理を徹底しても持ち込まれてリストカットされたり自殺に使われる。どんなに努力して守ろうとしても。そしてそれを利用者の家族から責められて殴られたりもね。でもそんな仕事だけどしたくて自分が選んだ仕事だから辞めない。ただ帰れば子供達の世話は全くしない家の事もやらない女房と義母が待ってる。子供達は可愛いけど、俺は気が休まる暇が無いんだ。今更この結婚は間違っていたかも、なんて思ってももう遅いんだけどさ」そう言って苦笑する彼の、私を抱き締めている手をそっと撫でた。「私なら家の事なんか何もさせないのに…。仕事に貴賤は無いけど、やすのしている仕事は本当に尊いと思う」そう呟いた私の耳に彼が軽くキスして「そういう優しいところが癒されるんだよ」と言った。どちらも家庭を壊してまではくっ付く気は無い。でも好意はある。互いが互いに優しさを持ち、それを有難いと感じているのも確か。

比較してばかりで申し訳無くもなるが、ダイキはそれこそが皆無だった。私がダイキの為にと思いする事や譲る事も、何一つとして感謝された事が無い。やすからは私が思いやった気持ちに対する感謝や嬉しさがちゃんと見える。だからますます好きになる。やったらすぐ寝るダイキに慣れている私は、やすにも「疲れてるなら少し寝ていいよ、適当な時間になったら起こすから」と言ったが、彼は「寝ない、一緒に居るのに寝たら勿体ないから」と返して来た。そして私の足を広げさせると、自分の精液も付いたままのシャワーも浴びていないクリトリスに吸い付いた。舌と指で激しく愛撫され、絶頂しても止めては貰えずイカされっぱなしのような状態が続き、やがて再び勃起した彼のペニスが挿入された。照明を落とした薄暗い部屋の壁掛け時計は、午後1時をさしている。フリータイムで朝9時に入室してもう4時間近く経過しているが、彼のペニスはほぼ勃ちっぱなし。まだまだ帰る気は無いようで、気持ちは嬉しいものの…病み上がりの私は、さすがに体力が奪われる。それでも求めて貰える事の嬉しさが上回り、私の体も呼応するように反応した。

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