私の苦い青春(前半)

中学からの親友がいます。その子とは高校が一緒で部活も一緒でした。だから、クラスは違いましたが、学校の通学はだいたい一緒で、友達からは「〇〇(親友の名前)の彼氏」と呼ばれてました。

私は高校２年生で人生で初めての彼氏が出来ました。優して朗らかに笑う人でした。同じ部活で知り合い、悩みや愚痴を聞いてもらううちに好きになっていて、私からLINEで告白して付き合いだしました。

とっても幸せでした。こんな幸せでいいのか、すごく悪いことが怒るのではないか、とずっと思っていたくらいです。忙しい部活だったので、デートも行かず、1度だけ勉強会を2人でしたくらいです。でも毎日の電話で、部活動を通して話せることが幸せでした。

親友にもちゃんと報告しました。付き合って１ヶ月くらいのことでした。すごく驚き、とても喜んでくれました。

しかしそこがピークでした。

ほぼ毎日していた電話が無くなり、話をしても上の空、あんなに言ってくれていた「好きだよ」の言葉も無くなりました。しまいには、「蒼葉にはもっと色んな人と付き合って経験して欲しい」なんていう始末。あぁ、もう終わるんだなと直観的な思いました。

そして私は振られました。友達の方が良かった、そうです。しかもタイミングの悪いことに、それは修学旅行の前日でした。分かっていたとはいえ、辛かったし、まだ好きだったので修学旅行の人生初ディズニーがただの地獄になりました。

おかしいと思い出したのは修学旅行を終えたすぐのことです。親友が彼の話をすることが多くなりました。もちろん、同じ部活だし、唯一親友が喋れる異性が彼だったので、おかしいことでは無いのですがその頻度が明らかに増えていくのです。私はこの感覚を知っていました。しかし見て見ぬふりをしたのです。たとえそうであったとしても私には関係ないし、別れたことに関して私が悪いのだから、と。

そんな時、クラスで仲のいい友達と彼の話になり、もう吹っ切れた！っというと、間を置いて、聞きたいかを確認され、すごく申し訳なさそうに言われました。「言いにくいんだけど……修学旅行の夜、よく夜にコインランドリーに行ってて、その時毎回毎回あの2人が廊下で話してたよ」

え、浮気？ いや、確かにもう別れているけど。親友はそんな急に距離を縮めることは出来ない。てことはもっと前か……。まだ高校生なのにそんなことがあるのか。私には関係ないと思っていたのに、本当にそんなことが……。

私はもう笑うしか出来ませんでした。しかし、1人で抱え込むことも出来ず色んな友達や仲のいい妹にその話をしました。彼らは心配してくれたり、妹はとても怒ってました。元々シスコンではあるのですが、彼の話を良くしていて私がどれだけ幸せそうだったかを1番知っているからでしょう。あまり見ないガチギレでした。

私が怒ることができたのは別れてから半年たった頃でした。その頃には親友の口から彼の名前を聞くことは減っていましたが、「誰かが言ってた」など曖昧な言い方が増えており、あぁ、彼の話かと冷静に聞いていました。

そんなある日、決定的な事件は起こります。いつも通り親友と登校して、当時話題の恋愛ものの映画の話になりました。見に行ったという親友に私が何も考えず、へー、誰と？と聞くとクラスの子、と言われました。普段2人でいる私たちはお互いのクラスのこの名前、またはお互いと仲のいい子の名前を把握していたので、「いや誰やねん」と冗談交じりに言うと親友は「言ってもわからんから」あぁ、彼とかと思いました。ただ証拠もなく、親友としての勘です。

その人放課後、私は後輩と部活動の準備をしていました。仲のいい後輩で世間話をしながら準備をしていると、後輩があっと思い出したように「蒼葉先輩！ 〇〇先輩と△△(彼)先輩って付き合ってるんですか？ 昨日映画見に行ってました！私も友達と見に行ってて……」

なんというジャストタイミング。私は後半話半分に聞いていました。そしてにっこり。

「とうだろうなぁ」

この時、2人に復讐することを決めました。