略奪婚は夫婦やカップルの関係を壊して奪い取るのですから、決して推奨される行為ではありません。


そして倫理にもとるだけではなく、ペナルティが発生する場合もあります。


「略奪なんてしなければよかった」と後悔するケースもあるのです。


今回は略奪婚について考えてみましょう。


リスクや考えるべきこと、略奪婚の成功と失敗のエピソードを紹介します。

目次

略奪婚とは

略奪婚とは配偶者や恋人がいる人を別れさせて、自分と結婚させる行為のことです。


夫婦やカップルの仲を引き裂いて、自分と結婚するように仕向けるのですから、みんなから祝福してもらえるような状況にはなりにくいもの。

相手のパートナーや子どもなど傷つく人も多いため、やるべきではない行為です。


既婚者から略奪するのであれば、不貞行為にあたり、慰謝料などペナルティを課せられるケースもあります。

仮に「結婚している人を好きになった。あきらめられないから奪い取る」なんて人が身近にいたら筆者は止めると思います。

略奪婚は許されるケースが少なく、自分が支払う代償も大きいリスクのある行為です。

しかし、分かっていても激しい恋に落ちてしまうと、理性よりも気持ちが勝ってしまいがちなのが恋愛の難しいところ。

今回の記事では略奪婚についてリスクを掘り下げています。


略奪婚を画策している人が、後悔しない選択をみつけるヒントになると幸いです。


略奪婚のリスク


略奪婚をするのはリスキーなもの。


ペナルティが課せられるケースもあります。


ここでは考えられる法的なリスクをシチュエーションに分けて紹介します。


相手が既婚者・婚約者がいる

既婚者を略奪して結婚をしようとするとき、それは不貞行為にあたる可能性がとても高いです。


相手の配偶者から訴えられて慰謝料を請求されるケースもあります。


「まだ結婚していないけど、婚約している」そんなシチュエーションでも慰謝料を請求されるケースがあるようです。

慰謝料は150〜300万円程度の請求金額になることが多い模様。


不倫期間の長さや、配偶者に対する対応などで金額が増減するようです。


独身で彼女持ち、婚約はしていない

婚約をしていない恋人がいる相手を略奪するケースもあるでしょう。


このような場合は法律が立ち入る余地がないため、法的なリスクは発生しません。

したがって慰謝料を請求されることはないでしょう。

ただし、他人の恋人を奪ったと周囲に知られたら、信用を失ってしまうなどのリスクは考えられます。


パートナーがいるのを知らなかった

既婚者や婚約者がいても、相手がそれを隠していて、それを知らずに付き合ってしまう場合もあります。


このような場合はパートナーの権利を侵害しているものの、侵害している認識がないため、慰謝料の支払いをする責任は発生しません。

難しいのが「普通に考えれば結婚しているに決まっている」など配偶者や婚約者がいて当然な状況なのに「不注意で気づかなかった」なんて場合は過失により知らなかったとして、慰謝料の請求がされる場合があるようです。


後悔しないために、略奪婚で考えたいこと


好きになった相手にパートナーがいても、どうしても気持ちを抑えられない人もいるはず。


しかし、本当に気持ちのままに動いていいのでしょうか?


ここでは略奪婚をする前に考えてほしいことを挙げていきます。



相手にはパートナーがいる

どんなに好きになっても相手には配偶者や恋人がいます。


好きな人と付き合うために略奪してしまえば、もともとのパートナーを傷付けることになるでしょう。

既婚者であれば、両親の離婚で子どもがつらい思いをするケースもあるもの。


好きな人をどうしても手に入れたい気持ちは理解できます。


しかし多くの人を傷つけたり、自分が恨まれたりしてまでその人にこだわる必要があるのか、考えてもらいたいです。



法的なリスクがあることも

略奪した相手に配偶者や婚約者がいる場合は、慰謝料を請求されることがあります。

罪悪感がないとか、不倫していた期間が長かったとか、積極的にカップルの仲を引き裂こうとしたなどの場合だと、高額の慰謝料が請求されるケースもあるようです。

相手の離婚が成立して、略奪婚がかなったとしても、子どもがいれば養育費の負担などもあります。


略奪婚には経済的なリスクがつきまとうものです。


信頼を失う

略奪婚をしたと聞いて良いイメージを抱く人はいないでしょう。


同情できるような複雑な事情があったとしても、周囲は「夫婦を引き裂いて略奪した」「他人の恋人を奪った」と悪いイメージで見てしまうものです。

略奪婚をしたとなると、周囲からの信頼を失う可能性はとても高いでしょう。


職場内で起きたことであれば、出世が遠のいたり左遷されたりなども考えられます。

略奪婚でそれまで築いてきたものを、失ってしまうかもしれないと覚悟しましょう。



自分が裏切られることも

略奪婚とは、見方によっては浮気の果てに、もともとのパートナーを捨てることです。


好きな人と希望通り結婚できたとしても、幸せな日々が続くとはかぎりません。

浮気は治らない病気といわれるように、浮気癖がある人は繰り返す傾向があるもの。
結婚をしても、今度は自分が浮気をされる可能性があるのです。

実際は浮気をされなくても「浮気をするかも」と相手を信じられなくなるケースも考えられます。

結婚しても相手を疑い続けるような生活になってしまいかねないのです。


略奪婚の成功・後悔エピソード3つ


ここでは略奪婚をした3組のカップルのエピソードを紹介します。


後悔するケースが多いですが、なかには幸せになれるケースもあるようです。


上司を略奪して結婚したけど

同じ職場にいる既婚者の上司を好きになりました。


仕事ではグイグイ引っ張るリーダーシップがある人なんですが、勤務外ではとても優しい性格にどんどん惹かれてしまって……。
既婚者だってことを知りながら、彼にアプローチをかけました。

彼は奥さんと上手くいってないみたいで、すぐに不倫関係に。


わたしはそれだけでは満足できずに、彼との結婚を画策しました。
「わたしなら、ずっと大切にするよ」って口説き落として略奪婚に成功です。

でも幸せの絶頂はそこまででしたね。

社内で略奪婚なんてしてタダで済むわけないんです。

わたしたちの社内での信頼は地に落ちてしまいました。
彼は出世コースから外れて、地方へ左遷。

わたしはそれをきっかけに退職することに……。


好きな気持ちで突っ走ってしまいましたが、略奪婚はリスクがたくさんあります。(Tさん・30歳/パート)


婚約者がいる人を好きになった

婚約者がいた彼を自分のものにしたときの話です。


彼はもともと高校時代の友達で、同窓会をきっかけに頻繁に遊ぶようになりました。
彼と遊んでいると学生時代に戻ったような気分になれて、甘酸っぱい気持ちになれたんです。

お互いに同じ気持ちだったみたいで、気がついたら恋愛関係に……。
それだけなら何も問題ないんですけど、付き合い始めてしばらくたってから「実は彼女がいて婚約している」なんて告白をされちゃって……。

その告白からわたしは逆に燃えちゃいました。
「絶対に自分のものにする」って彼と婚約者を引き裂くのに必死です。
思惑通りに彼と婚約者を別れさせて、自分だけの彼氏にしました。

でも婚約者だった女性から慰謝料を請求されちゃって。
裁判で揉めるのは嫌だったので、少なくない額でしたが慰謝料を支払いましたよ。

そのときの彼がいまの夫です。
それなりに幸せですが、婚約者と引き裂いてまで結婚する価値があったのか自信が持てません。(Sさん・28歳/営業)


既婚者に恋をした

いまの主人は、もともとわたしの職場に備品の納品に来る配送業者さんでした。


毎日のように顔を合わせるうちに、打ち解けて仲良くなりました。

彼が既婚者だとは知っていたのですが、妙にお互いに話が合って、ときどきふたりきりで食事をする関係に。

そこで彼から聞いたのは結婚生活がすでに破綻しているということ。
「20歳のときに妊娠をきっかけに結婚したものの、もう関係は冷めて切っている」という状況でした。

「奥さんは浮気しているし、離婚したいんだ」
「離婚したら息子が可哀想な気がして決心できない」なんて話に。

そんな中途半端な状態で、彼と付き合い始めてしまいましたが、お互いに罪悪感が大きかったですね。

「このままじゃいけない。ケジメをつける」と彼は奥さんと話し合って離婚が成立。
親権は彼が持つことになり、彼と息子とわたしは家族になりました。

いまは家族3人で幸せな家庭を築いていますよ。(Uさん・33歳/事務)


略奪婚をして後悔しないかよく考えよう


ここまで略奪婚について、どちらかといえば悪い側面について掘り下げてきました。


それは略奪婚にはリスクやデメリットが多く、倫理的にも許されないケースが大半だからです。
どんなに相手のことが好きでも、気持ちを切り替えてパートナーのいない相手と恋愛するのを筆者はおすすめします。

恋愛は痛い目に合ったり、誰かを傷つけたりはつきものですが、略奪婚はその要素が強すぎる恋愛です。

「離婚させてまで結婚したのに浮気された」
「略奪婚に成功したけど、会社にいられなくなった」
なんて悲惨すぎますよね。

恋愛は好きになってしまうと、他人のアドバイスなど耳に入らなくなるものですが、いま一度よく考えてみてください。

まとめ

略奪婚はリスクが高くデメリットも多いもの。


略奪に成功したものの、後悔するケースもあります。


恋に落ちると、相手に配偶者や恋人がいても「関係ない」と振り向かせたくなってしまうこともあるでしょう。


しかし、慰謝料を請求されたり、社会的信用を失ったりする可能性も高いです。


本当に後悔しないのか、自分を大切に考えた選択をしてくださいね。