健康に長生きされる人も増え、65歳以上のシニア世代での再婚や結婚がふえています。


2021年9月に公表された『人口動態調査』によると、2020年の60歳以上の人の結婚件数は、男性で992件、女性で402件でした。2000年は男性327件、女性296件でしたので、この20年で大きく増えていることがわかりますね。

シニア世代の自分も婚活をしたいと思った場合、ありがちなトラブルや対処法を知っておくことが必要です。

幸せな事ばかりとは限らない、シニア婚活について解説していきます。

目次

他人事ではない?よくあるトラブルの例



シニア世代の婚活や結婚で多く見られるトラブルをご紹介します。

年代的に、どうしても避けられないさまざまなトラブルがあるようですね。

・悪質な場合も…資産目当ての後妻業


資産家が巻き込まれやすいトラブルです。

「後妻業」とは、相手の財産目当てに結婚して、死後遺産を受け取ることを目当てにしている人のことですね。


犯罪としてニュースで報道されたこともありますが、後妻に全財産を相続させる遺言書を作成させたり、保険金を多額にかけておいたり、用意周到に仕組まれている場合もあります。


・悪意がある嘘の結婚、金銭的な要求


後妻業と似ていますが、特に男性側に多いのが、女性側から金銭を騙し取られるケースです。

気に入った相手に好かれたい、助けになりたいという思いを利用され、お金を渡してしまうのですね。

悪質なケースだと、交際中からプレゼントや食事などでお金を使い、結婚したものの数ヶ月で「思っていた結婚生活ではなかったから離婚したい」と慰謝料まで要求されたという男性もいます。

異性からの久々のアプローチで喜ばせ、好意を利用してお金を得ようとする人が一定数いることを心得ておきましょう。


・家政婦として家事や介護をまかされる


年をとると、ひとりで生活するにもいろいろと苦労が出てくるようになってきます。
結婚してお互いに助け合ったり、得意なことを分担して支え合ったりできるのが理想ですよね。


しかし、最初から「してもらうこと」を期待して結婚相手を探す人もいるのです。
パートナーの身の周りのことだけではなく、親の介護までまかされてしまう場合も。
支え合うどころか負担が増えてしまい、まるで家政婦のような扱いに辛い思いをするのは避けたいですね。


・性交渉に対する考えに差がある


一般的に、更年期以降のシニア女性はずいぶん性欲がなくなり、パートナーに癒やしや安らぎを求める傾向があります。

対して、男性のほうはまだまだ性欲がある人も多く、結婚したら性的な関係を持ちたいと考えているケースも少なくありません。

元気なうちに性交渉をしておきたいと、シニアならではの要望もあるようです。


シニア世代の男女の性の価値観に差があることは理解した上で、相手に欲求がありそうなのか、自分の欲求を受け入れてくれそうなのか、慎重に見定めなくてはいけません。


・相続のいざこざ…遺産はどうなるのか、家はどうなるのか


婚活中なのに、死んだときのことを考えるのも悲しい気がしますが、人生の終わりが迫っている年代であるのが現実です。

どちらかが先に亡くなった場合、遺産や家の相続はどうなるのか、複雑になってしまうケースが多々あります。


自分たちに遺産が来て当然と思っていた子どもたちに、結婚を反対されるケースもあるようですね。家を譲ってほしい、逆に必要ないので遺された側に任せたいなど、家庭ごとに事情が違うのが難しいところです。


トラブルを回避して安心して婚活するには





・最初から資産を正直に言わない 


心の安定ももちろんですが、金銭的な安定を求めて結婚したいと考える人も多くいます
もちろん収入や資産が少なすぎるのはマイナス要素になってしまいますが、最初からお金を持っていることを公表するのは避けるのがベターです。

結婚相談所の場合、確定申告書などで収入を証明しなくてはいけないところもあれば、自己申告制のところもあります。

多くの資産を持っている場合には、あえて金額を下げて公開したり、不動産や投資商品などの資産は口外しないようスタッフに頼んだりして、明らかにお金目当ての人に狙われないようにしたほうが安心です。

・親や本人の健康面について共有する


自分たちや親の介護や病気について考えることは避けられない年代です。

結婚を考えられる相手に出会えたら、きちんと話し合う必要がありますね。
親が要介護状態の場合、介護の方法はどういう状況なのか、そのための金銭的負担はどのように賄っているのか、相手に理解してもらっておくのがベストです。
自分に持病や通院歴などがあれば話しておき、それでもいいのかどうか、フォローは可能なのかどうかなどの相手の意思を聞いておく必要があります。

隠して結婚すると、悲しい思いをさせたりトラブルのもとになったりしてしまいますよ。

介護については、例えば老人ホームに入りたいのか、できるだけ自宅で過ごしたいのかなど、一方が要介護状態になった時にどうするべきなのか、希望を話しておいたほうがスムーズです。


・家族に相談する・理解してもらう


シニア世代になると、ほとんどの子どもは独立していたり既に家庭を持っていたりするでしょう。

子育て世代のように、子どもへの影響などを考慮する必要はないと考えがちですが、やはり結婚についての理解は得ておきたいところです。子どもはもう関係ないからと、独断で結婚を決めるのはリスキーです。

「今更の結婚」ということでいい顔をされない場合もありますし、相続の関係で結婚を反対される場合もあります。

どちらかが先に亡くなった後に、遺された側がその家族とトラブルになってしまう、悲しくて複雑な事態は避けたいところですよね。
結婚を考え始めた時点で家族にも相談したり、相続については前もって話しておいたり、家族からも理解してもらえる結婚を目指しましょう


・結婚相談所を活用する


信頼できる結婚相談所を見つけると、とても心強いですよ。身分証などの提示が必要な相談所も多いため、相手の身元がしっかりと分かり、安心して婚活できます


婚活のプロがアドバイスしてくれるため、初めてや久しぶりの婚活でも身動きが取れなくなる心配がありません


いろいろなトラブルに巻き込まれがちなシニアの婚活ですので、常に第三者が見守っていてくれることは大きなメリットと言えます。
相手がお金の相談やプレゼントの要求をしてくる、身体を求められて不快だったなど、少しでも怪しいと思った時には相談もできるので、さまざまなトラブルを未然に防げる可能性が高くなります。


入会金のハードルやスタッフとの相性も考慮しながら、頼りになる結婚相談所を探してみてください。

まとめ

一人の時間が増え、人生の終末が近づいてきていることを考えると、不安が大きくなるのは当然のことと言えます。


経済的・身体的な支えができることももちろんですが、信頼できるパートナーが側にいてくれると、心身ともに安定し、心強いことでしょう。
シニア世代ならではの現実的な問題もいろいろと多いため、不安も大きく踏み出しづらいかもしれません。

しかし、巻き込まれがちなトラブルを知っておけば、対処することも可能です。結婚への意欲があるのでしたら、身体や気持ちが前向きなうちに、早めに婚活を始めてみませんか。