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人生の楽しみはゲームの世界だけだった
オタクと妄想恋愛 女性
公開日|2023.09.10
更新日|2023.09.11
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オタ会で出会った、ゲームクリエイターをイメージモデルにした私の勝手な妄想恋愛
東野圭吾好きの私が勝手に寄せて書いてます。
(フィクションです)
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大阪の小さなマンションに一人で暮らす22歳のYui。
新卒で地元のゲーム会社に就職したものの、理想と現実のギャップに苦しみながらも、仕事をこなしている。
しかし、彼女の心の拠り所はオンラインゲーム「戦国時代 Online」。彼女がゲームで呼ばれる名前は「YuiHime」。
仮想の戦国時代で、彼女はもう一つの自分を見つけていた。
一方、遙か東京に住むKen。
30歳、SE(システムエンジニア)として忙しい日々を送る。
口下手で人付き合いが苦手な彼が本当に生き生きとするのは、同じく「戦国時代 Online」の世界。
ゲーム内での彼の名前は「KenshinSamurai」。仮想と現実、どちらが彼の「本当」なのか、自問自答する毎日。
ある日、運命の出会いが訪れる。
Yuiはゲーム内で「TenkaFubu」というギルドの募集広告に目を留める。
そのギルドのリーダーがなんと「KenshinSamurai」。
何かを感じ取ったYuiは、このギルドに参加する決断を下す。一人で過ごしていた彼女にとって、新たな仲間との出会いは新しい希望であり、危険でもあった。
ギルドの掲示板に自己紹介を書き終え、Yuiは深呼吸する。
ゲーム内でスタートボタンを押すように、彼女の新しい章が始まるのを待っていた。
大阪の夜は更けていくが、Yuiの部屋は暗い画面の明かりで照らされている。
週が明ければ厳しい現実が待っているかもしれない。
しかし、この瞬間、彼女は「Sengoku Jidai Online」で心地よい緊張感に包まれていた。
初めてのクエストから数週間。YuiHimeは徐々に「TenkaFubu」ギルドの一員としての立ち位置を築いていく。
そして、KenshinSamuraiのリーダーのもとで、ギルドは数々の困難なクエストに挑んで成功を収める。
次第にYuiはKenshinSamuraiの指示に感心するようになる。
ただし、それはまだ遠くから眺める程度。同様に、KenもYuiHimeの戦術的なスキルに注目し始めるが、深く考えるわけではない。
東京で働きながらも、Kenはこのゲームで一息つく時間を楽しむ。
夕食を済ませ、一人の部屋で静かにゲームを始める。
その日も、「TenkaFubu」ギルドで新しいクエストが開始された。最初は他のメンバーと同じように、YuiHimeもただの一員でしかなかった。
しかし、数週間後。ギルドで起きたピンチの状況下で、YuiHimeが素晴らしい判断でチームを救った。その瞬間、Kenは初めて「この人はただの一員ではない」と感じる。
「Sengoku Jidai Online」の世界で繰り広げられる小さな日常と冒険。数週間の共闘を経て、YuiとKenは徐々に互いの存在に意識を向けるようになる。
ただし、それはまだ曖昧な印象と疑問の域を出ない。
それでも、運命の糸は確実に二人を引き寄せ始めていた。
大阪、某イベントホール。
本日は「戦国時代 Online」の公式オフラインイベントが開催される日。
何百、何千ものプレイヤーが集まっている。Yuiもその一人。しかし、彼女はYuiHimeとしてではなく、普通のYuiとしてここにいる。
彼女がスマートフォンを手に、「TenkaFubu」のギルドチャットを眺める。KenshinSamuraiが「今日のイベントに来ているメンバーは?」と投稿。数人が「いるよ」と返信する中で、Yuiもその一人になる。
東京から新幹線でやってきたKenも、この日のために休みを取っていた。
ギルドチャットを見ながら、会場内を歩く。そして、指定された場所でYuiと目が合う。
しかし、彼女がYuiHimeであるとは、この時点ではまだ気づいていない。
「KenshinSamurai?」Yuiが不安そうに声をかける。
Kenは驚く。目の前の女性が、ゲームの中で数々の戦いを共にしたYuiHimeだとは、想像もしていなかった。
「ええ、そうです。でも、あなたは?」
「私、YuiHimeです。」
一瞬の静寂。そして、お互いの驚きと緊張が、言葉にならないまま空気を支配する。
後で考えれば、この驚きは当然のことだった。
ゲームの中の自分たちは戦略とスキルで繋がっていた。だから、肉体的な特徴や日常的な話題で繋がるわけではない。お互いが、お互いを知る第一歩が、ここから始まる。
オフラインイベントでの時間はあっという間に過ぎる。
でも、その短い時間で、YuiとKenは互いに新しい一面を知る。YuiはKenが優しく、対話を重視する一面を見つける。
一方、KenはYuiが現実での厳しい状況にも負けず、しっかりとした考えを持っていることに気づく。
夜。Yuiは帰宅後、自分の部屋で考え込む。
もしもゲーム内の仲間たちが、現実で同じように接してくれるのか。今日見たKenの一面が、全てなのか。
同様に、Kenも東京の自宅で考える。
ゲーム内で見たYuiHimeと、今日のYui。これが彼女の全てなのか。
オフラインイベントが二人に与えた影響は大きい。
しかし、その影響は決して単純なものではない。YuiとKen、二人の距離は縮まったかもしれないが、新たな疑問と期待が心に広がる。
数週間後、YuiとKenはそれぞれの日常に戻っていた。
それでも「戦国時代 Online」では繋がっている。
しかし、その繋がりは以前と何かが違う。オフラインで見たお互いの顔が、画面越しにもちょっとした緊張を生んでいる。
ゲーム内で新たな大型クエストが発表される。このクエストは「TenkaFubu」ギルドにとっても厳しい挑戦となるレベル。
Kenはギルドメンバーに指示を出し、Yuiもそれに応えるが、なんとなく他のメンバーとの距離が近いように感じる。
お互い、未だにオフラインで知った事実をどう処理すればよいのか分からない。
Yuiはギルド内のチャットで何度もKenと対話するも、何か一歩を踏み出せない。
一方、KenもYuiに対して、以前とは違うような遠慮ができてしまっている。
そして、ついにクエストの決戦の日。最後のボス戦で、YuiとKenは必然的に連携を取らなければならない状況になる。戦いの最中、Yuiはついに口を開く。
「Kenshin、左フランクを固めて!」
Kenがその指示に応じると、瞬く間に状況が有利に。そして、ついにボスを撃破。
「よくやった、YuiHime。」
この短い言葉で何かが解ける。お互いのスキルを信じ、それが現実の世界にも影響を与えることを実感する。
ゲームを終えて、YuiとKenはそれぞれの場所で一息つく。
そして、スマートフォンを取り出し、ギルドチャットを開く。
Kenが最初に打った言葉は、実にシンプルだ。
「コーヒーでもどうですか?」
Yuiの返信もまた、シンプル。
「いいですね。」
二人の距離が再び縮まる。
しかし、これは新たな始まりに過ぎない。未解決の疑問、これから先に起こるであろう多くの出来事。それでも、YuiとKenは確実に一歩を踏み出した。
この出会いが、どんな未来を二人にもたらすのか。それは、次のお話で明らかになるかも。
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