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一線
まゆ
公開日|2022.11.14
更新日|2023.08.21
会う日の朝は、緊張して何度も鏡を見た。お茶するだけの約束だけど身なりは清潔にして行きたいのでシャワーを浴び、髪を整えメイクをして、メガネをコンタクトにも変えた。お気に入りのチュニックに合わせるのは新しく買ったパンプス。今日の服装をLINEで教えると、ダイキからも自分の服の特徴を書いたLINEが返った。ダイキも私も幸い水曜日が休み、息子達は学校で旦那は仕事、ダイキの奥さんも仕事で会いやすい。会う場所は互いの住まいの中間の駅。先に駅に着いたのは私。会って「やっぱりたいした事ないな」と思われたら…。でもそれならそれでも構わない、LINEや電話は楽しかったし思い出になる。そんな事を考えていたら
「まゆ?」と背後から声を掛けられた。
写真では分からなかったが背が結構高い、髪も綺麗に整ってるし顔もやっぱりかっこいい。どうしてこんな男性が私なんか相手にしてくれるんだろう、と思いながら「はい!」とうわずった声を出してしまう。するとダイキは心底嬉しそうな顔をした後、すぐ手を繋いで来た。急に手を取られ驚いたが嬉しくてきゅんとなる。旦那とも手を繋ぐなんて無かったし、久しぶりに男性に触れられた事が嬉しい。手を引かれる形で歩きだす。
「実物も綺麗、来てくれてありがとう」
「あまり誉めないで、誉められるのに慣れてないから」
そんなやりとりの後、ダイキから
「我慢出来ない、お茶よりホテル行かない?もし嫌ならはっきり言っていいから。俺はまゆが欲しい」
と言われた。元から大人同士だし、体目当てであっても嫌どころか旦那からセックスレスにされている私に「したい」と言ってくれるなんて、有難いとしか思えない。私も素直に「いいよ」と答えていた。
けど同意しホテルまで歩きながらも、事態はあまりちゃんと飲み込めていなかった。さっきまで私は、不倫なんて自分には関係ない地味なおばさんでしか無かった。その私が今、旦那以外の男性とホテル行こうとしてるの?と、半ば頭の中がパニックにもなっていた。そうこうするうちホテルに着いてしまい、部屋代を半額支払おうと慌てて財布を出す手をダイキに遮られ、あっという間にエレベーターに乗せられ部屋に入っていた。
ラブホテルに入るのも何年ぶりだろう、最後に来たのは下の息子が生まれる前…と思っているうち、ダイキから立ったままキスをされた。久しく感じる事も無かった異性の舌が口内を這う感触に、背中がゾクゾクする程感じてしまい声が漏れた。もう引き返せない。引き返す気も無い。ベッドに押し倒され服を脱がされ乳首を吸われ、ダイキに下を触られる。やがてダイキの頭が足の間に入ったが、家を出る前に軽く入浴したとはいえ、さすがに舌で愛撫されるならもう一回洗いたい。慌てて「シャワー使わせて!」と言ったが「平気、力抜いて」と言われ吸い付かれた。
快感に背を仰け反らせて声を上げる私に「感じてる声も可愛い、それに凄く濡れてる、嬉しい」と言うと、ダイキが備え付けのコンドームに手を伸ばした。
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