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執念
まゆ
公開日|2023.02.28
更新日|2023.02.28
散々罵倒され、あちらからブロックしたのでこちらもブロックし…翌日は「ダイキの居ない生活に慣れよう」と思いながら過ごす。そんな中、たまに懸賞や災害時に使うだけであまり使っていないSNSにメッセージが入っていた。相手はダイキ、彼にはSNSの私のアカウントは教えていないので正直言ってビックリした。「戻ってきて」とだけ書かれたメッセージに「私のアカウントをどうやって知れたの?」と聞くと…。話の流れで「ここ、行った事ある?」と私が自分のSNSに上げていた数少ない画像を出して見せた時、表示されていたアカウント名を暗記しスマホのメモ機能にメモしていたそうだ。一瞬で覚えられるくらい簡単なアカウント名ではあるが、まさかそんな数秒で覚えられているとも思わなかった。ともすればストーカーのような行為に気味悪さを感じつつも、少し時間が経過し冷静にもなれているので話を続ける。
彼が激昂する理由はいつも同じ、私が去る意思を見せた時でそれは何度も繰り返して来た。今回の言い合いもそうだったが、今回はダイキは本当に酷かった。「もう少し相手の気持ちに寄り添って」と言う私に「なんで喧嘩腰なの?」と返る。「喧嘩腰じゃない、伝えたいの」と言うも「ほら怒ってんじゃん」とまた返る。全く会話が成り立たないダイキを見るうち、発達障害だったのだとはっきり分かった。相手が何を言っているかも全く理解出来ず、激昂すると自分で自分をコントロールする事が出来ない。相手の気持ちに寄り添えないし、察せないし、感謝も出来ない。前にも書いたが彼は注意散漫でもあるし拘りもある。
そして彼は私より前に付き合った女性との事を、私が聞くのを嫌がる。思うに私としたようなぶつかり方を何度もして別れ、良い思い出では無いのだろう。加えて私への異常な執着…。彼はその特性故に交際が長続きせず、かといって寂しがりだし性欲も強い。なので相手を探しては交際しぶつかって別れて、を繰り返して来たのだと思う。その中で見つけたセックスの相性の良い女。自分の性的嗜好のSに合致するMで、精液も飲むし何をしても嫌がらない、中の具合も自分の好みで更にはピルのお陰で避妊も要らない。そんな私をダイキは手放せなくなったのだろう。だから別れたい私に激昂し、暴れ、無理やりに何度でもよりを戻す。
そしてまた今回も…絆された私は結局ダイキに押され、よりを戻した。自分でも呆れるが、私もまたダイキを見限りきれない。ダイキの私への思いは、執着を通り越してもはや執念のよう。けれど持ち前の身勝手な考え方のせいで、“離れて欲しくないから自分が優しくなろう”“離れない努力をしよう”という考えには至らない。デートらしいデートすら無く安い物のプレゼントの一つも無い。ただあるのは“暴”のみ。別れたがる私に腹いせの罵声を浴びせ、ほとぼりが覚めたら無理やり連れ戻すだけ。乗る私も私だが、通話中やセックス中「愛してるよ」「愛してるって言って」としょっちゅう言う彼が、寂しがりな事だけは分かる。そんな部分にいつも絆されるのだ。
そしてまた元サヤになった直後に会ってしたセックスは、やはり激しい。ダイキの持て余す欲望を全てぶつけて来られるようなまぐわいになる。ベッドに押し付けられてされる、窒息するかと思う程長く強いキス。アナルにも前にも指を差し込まれる愛撫。覆い被さって身動きも取れない程強い力で抱き締められながらの挿入。その日ダイキは二時間で二回、私の中に放った。
出すだけ出したらまた私への愛もへったくれもなくなり、興味を失い冷たくなる。別れ際惜しまれもせず駅で放され、改めてなんでこんな男が捨てられないんだろうと苦笑した。
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