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美しい人妻❤︎ vol.4 愛しているけど信じられない

mucchi
公開日|2024.11.07
更新日|2025.02.01
M子との関係は秘密にしていましたが、そういうことに興味がある人には、薄々感づかれていたような気がします。少なくとも、あの男は限りなく黒だと思っていたはずです。
ある飲み会で例の如く、あの男がM子を独占していたのを、隙を見つけてM子を外に連れ出したことがありました。あの男の節操のない態度を嫌がることなく、むしろ喜んで受け入れていることを叱責するためです。そして、その現場に、M子を探しに来たと思われるあの男が現れました。私は別に驚きませんでした。探して追いかけてくることくらい予想していましたし、むしろM子と私の関係を認識させる良い機会だと思いました。あの男は「あやしい…」と、ちょと茶化した風に言ってましたが、かなり動揺していたはずです。私は特に何も言い返さず、仕方なくM子を連れて会場へ戻りました。この後、M子はあの男に私との関係を問われたに違いありません。でも、「しつこく言い寄って来て、無理矢理連れ出されただけだよ」くらいのことを言って退けたのだとは思いますが。
あの男は、私とM子の関係に確信を持てなかったとしても、少なくとも、かなり強力に私がM子にアプローチしていると思ったでしょうし、できているのではないかとも考えたはずです。ただ、M子が「そんなこと、あるはず無いじゃない。考え過ぎ。」くらいの軽いノリで簡単に否定したでしょう。私に対して、あの男との関係を否定したときと同様のM子の態度が目に浮かぶようです。そうとなれば、当然、あの男は、私に対抗すべくM子に誘いをかけて来るに決まっています。だから、M子にその気がなくても、その気があるなら尚更、私に疑念を抱かせるようなことがM子に起こることは予想できていました。そして、実際に、私が出張でいない時を狙ったように何かが起きていました。
不可解な出来事
私が出張から車で戻る途中、もう勤務時間が終わろうとしていたころ、M子の車が職場近くの人気のない駐車場に止まっているのをみつけたことがありました。何をしているのか確かめに行きたい衝動にかられつつも、気付かれないように近づく方法が見つからず、焦る気持を押さえて職場へ戻りました。その後、30分以上経って案の定、M子とあの男が一緒に戻ってきました。
退勤後、M子といつものように待ち合わせました。M子を問い詰めると「仕事で行った先から迎えに来て欲しいと電話が掛かって来たので迎えに行っただけだよ。」と答えました。説明になっていないと思いました。「だけだよ」という線を超えているのに、よくもヌケヌケと、という気持ちになりました。
本来、迎えに行くこと自体が不自然で、そもそも一緒に仕事を抜けて出かけているようにしか思えないし、仮に迎えに行ったのだとしても、退勤時間を過ぎているとはいえ、仕事中にサボってまで、あのような人気のないところに車を止めて、しかも、結構な時間をそこで二人きりで過ごしているのが明白なのです。それで「だけだよ」と言ってのけるとは。さも普通のことで、気にするようなことでは無い風に言って誤魔化そうとしているだけなのが見え見えです。
「そういうことを普通にやっている関係だと認めているのか?」とか「誰とでも、誘われたらそういうことを普通にやるのか?」と、問い詰めたくなる気持をぐっと堪えました。もう苦しくて死にそうでした。
タイミングが合い過ぎている
別の出張中、あの男のオフの日と重なる日がありました。嫌な予感がして、重い気持ちで出張に出かけたのを覚えています。そして、その日は朝から夕方まで、全くM子と連絡が取れなくなりました。途中、圏外になる時間帯もあり、一体、どこへ行っているのか。職場にいるはずではないのか?
会えても会えなくても一日に何度か携帯でメールのやり取りをするのが普通になっていたので、出張先で手も足も出せない状況に、不安が膨らむばかりでした。
夕方になってやっとM子から電話が掛かって来たのですが、休みを取って高校時代の友達の車に乗ってドライブに出かけていたのだとか。行き先は峠越えした先の私も良く知っている地域で、具体的な場所も説明していました。圏外になっていたことも説明が付きますが。それにしても、私の出張にあの男のオフ、それに合わせるように自分も休みを取って、全く連絡取れず。友達は専業主婦ということにするのだと思いますが、これまでにも不可解なことがあったのに加え、あまりにも条件が揃い過ぎています。おそらく、あの男の車に乗せられ、説明通りの場所まで行ったのでしょう。何のために?平日の日中、ほとんど人のいないところまで行ってすることとは?ただの観光?のはずないだろう…想像するだけで、胸が苦しくなり、涙が出てきました。
そういう女なのか
更に別の出張のとき、この時、あの男の妻が数日間家を留守にしていることをたまたま知っていたので、「何かが起こる」と心配していました。私が出張から職場に早めに戻ると、ちょうどM子が車で帰ろうとしているのが見えたので、いつもの通勤経路を先回りして待ちました。しかし、いつまで待っても会えず、電話をしても繋がらず。もしかして、先に行かれたかと思いM子の自宅近くまで行きましたが、そこにM子の車は無く。何度か携帯で連絡を取ろうとしても繋がらず、メールの返信もなく。近所のスーパーに行っても見当たらず、図書館や文化ホールのある施設の駐車場に車を止めて時間を潰してから、再びM子の自宅近くへ行きましたが、まだ帰ってきた様子はなく、諦めて帰ったことがありました。ストーカーにでもなったかのような気持でした。そして、もうすぐ自宅に着こうかという頃、やっとM子から電話が掛かってきました。携帯を車の中に忘れたまま家に入ってしまい、つい先ほど気づいて取ってきたんだとか。駐車場に車が見当たらなかったことを話すと、駐車場ではなく玄関前に止めていた時に見たのではないかと説明していましたが、如何にも苦し紛れで、私が1時間以上、M子の自宅周辺にいたことを明かすと、今度は、ガソリンスタンドと図書館に寄ってきたと。携帯は運転している途中で座席の下に落としてしまい、そのまま忘れていたと。それだけで、1時間以上もかかるとは思えないし、図書館には少なくとも、私が居た間にM子は現れませんでした。それから、ガソリンを入れた時のレシートを確認したいと言えば、捨ててしまったと答える始末で。浅慮な嘘をついているようにしか思えませんでした。
最初にM子が電話に出なかった時点で、あの男の自宅の方を探るべきだったと後悔しました。私の留守をいいことに、あの男の誘いに乗ったとしか思えません。あの男の家の前に、きっとM子の車が止まっていたに違い無いと思いました。おそらく、そこで、私に嘘をつかなければならないようなことをしていたのです。…想像が膨らみ胸が掻きむしられるような思いでした。
いずれの時も喧嘩になり、最後は私がモヤモヤしたまま許していましたが。いかにも何かが起こりそうなタイミングで、その通り不可解なことが起こっている、しかも複数回。もう、真っ黒です。私が不快に思うどころではない、それ以上のことをやっている可能性が高いと考えるようになっていました。
愛しているけど信じられない
その一方で、M子が私との時間を作るために無理をしているのも分かっていました。私が誘って会いに来ないことは、まず無かったし、時間の無い中、月に何度か一緒に食事をし、その後、体を求め合うことが習慣化していました。子供のお迎えと、M子が帰宅するまでの世話を実家の父親に頼むことが多くなり、ついには、家事をきちんとやるように注意もされていたようでした。無理してまで私に合わせてくれているM子を甲斐甲斐しく思います。ただ、そんな事実を十分、分かっていても、それが、私を裏切っていないことの証には全くならないのです。
何度も言いますが、M子は夫を裏切り、私とこういう関係になっている女です。自分の家庭を大切に思いながらも、「だって好きになっちゃったの。」と言う理由で私と体の関係を持つ女です。他の男とも、自分に都合の良い理由をつけ、私にするのと同じように夫への裏切り行為をしていたとしても不思議ではないし、むしろ自然なことなのかも知れません。M子が気にするべきことは、夫に対しての裏切だけで、それに比べたら私への裏切りなど軽いもののはずです。M子が望めば、いくらでも男を手に入れられるというのも認めざるを得ない事実だと思います。「好きになっちゃった」から私との関係を持ち、チヤホヤされて気分が良いからあの男とも付き合い、時々、摘まみ食いして…。想像ばかりが膨らみ、気が狂いそうなくらいに胸が苦しくなりました。こんなに苦しい思いをするくらいなら、あの男としていることを暴いて、M子を不貞な女として徹底的に貶め、M子の裏切りに絶望し、何もかもダメになってしまった方がスッキリするのではないかと考えることさえありました。
楽観的に考えれば、私が、ちょっとしたスケベ心で、ノリの良い女の子と遊びに出掛ける程度の、浮気といえるのかどうかグレーなのことをM子は、あの男としているだけかも知れません。家庭のある男性のそれと、家庭のある女性のそれとでは、印象がだいぶ異なるとは思いますが。常にチヤホヤされてズレてしまったM子の感覚だから、為せることなのかも知れません。たとえ、本当にその程度のことだとしても、私には、耐え難いことには変わりありませんが。
少し落ち着いた
その後、M子も私が神経質になっているのを気にして、迂闊な行動をとらなくなったのだと思います。あからさまな疑わしいことは起こらなくなりました。あの男がM子の車からM子と一緒に出て来て、これ見よがしに職場の宴会に向かうのを見たこともありましたし、別の宴会の2次会へ向かう途中、あの男が、やはりこれ見よがしにM子と手を繋いで歩いていたこともありましたが、いずれのときも腹が立ちましたが、いつもの調子で馴れ馴れしく無理矢理、そうしているのが見え見えだったので、M子には、ちよっと不満を言っただけで、喧嘩になるようなことはありませんでした。
私の学生時代の友人のある女性と飲みに行ったことがありました。その連絡のための電話が、たまたまM子と一緒にいるときに掛かってきて、M子に電話から漏れた声が聞こえてしまったことがありました。「大学時代の友達って女の人?聞いてない。二人きりで会うって、どういうこと?」とM子に問いただされました。私は女性と二人きりという意識を全く持っていなかったため、すっかり油断していました。難しい説明になりましたが、疾しいところは全くないので、男同士と同じ関係だということを必死に説明し何とか説き伏せました。完全に納得はしていないようでしたが。これまで、私がM子に嫉妬することはあっても、M子にヤキモチを妬かれることは無かったので、説明が面倒でしたが、少し嬉しい気持ちにもなりました。
それから、私の誕生日、退勤後いつものようにM子と待ち合わせると、M子はケーキを焼いてきてくれました。バナナケーキでした。そういえば、以前、私がバナナが好きだという話をM子にしたことを思い出しました。それを覚えていて、忙しい中、私のために作ってくれたのが分かりました。可愛いところがあるなと思いました。やっぱりM子のことが好きです。ずっと一緒にいたい。この後も平穏な日が続いて欲しいと思いました。
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