処女

まゆ

まゆ

公開日|2023.07.16

更新日|2023.07.16

人間には相性があり、友人関係のみならず男女交際にも相性は多大な影響がある。セックスの相性と性格の相性、どちらも合わないと交際は楽しくならず、それが互いに良いと思い合う事も大事で…だからこそ全てが合う相手に出会える事は貴重だし、出会えた縁は大切にしたい。そう私などは思うが、それを全く思わないのはダイキだった。相手が嫌がろうが自分さえ良ければいい、一事が万事そういう考えのダイキに比べ、あきさんとはごく普通の、恋愛関係依然に人間関係が築けている。

会う毎に本性を露にしたダイキと違い、あきさんは何度会っても印象が変わらない。優しく穏やかで、お金も出させない。それは普通と言えば普通かも知れないが、一度きりの男もダイキも必ず私が半分出すホテル代は受け取ったし、ダイキに至っては優しさなど皆無だったから尚更あきさんが良い印象に感じる。あちらもまた、私に良い印象を持ってくれたらしい。私はあきさんが時間が空きそうな時自分も同じくスケジュールを空けておくが、メッセージには「土曜の夜は予定入れてない、でも疲れていたり用事があれば無理せずそっちを優先してね」と入れる。すると「まゆは優しいな」と返った。

普通の事では?と思ったが、後から聞いたら前の彼女は週一回しかない休日を必ず毎回使って会うのを強要されていたので、疲れてしまったのだそう。独身独り暮らしのあきさんは週一の休みはデートばかりに使えず、家事や買い物にも使わねばならないから。両方に時間を割くのに無理が生じるのは当たり前の事。その点私は休日前の夜に会えるから翌日の休日が潰れないし、会うのも「あきさんが会いたければ応じる、でもこちらからは決して無理強いはしない」というスタイルなのが助かるようだ。これは勝手なダイキに合わせた結果私に身に付いた習慣だったが、ダイキは私が合わせる事を当たり前と思い、あきさんは有難いと思ってくれる。後者のあきさんが人間として正しいのだとも改めて感じた。

そして何より、一緒に居て疲れないというのが私の中で大きい。私は元来私の方がおしゃべりで明るいので、自分と同じようなおしゃべりな男がやや苦手。怒涛のように喋り倒す相手に上手に相槌を打つのも、長くなれば「こっちはお金貰ってるホステスじゃないんだから…」などと思いながら段々苦痛になって来る。かといって話をしなさ過ぎる人も辛い、ダイキはそれで自分が話したい時にはこちらの都合はお構い無しに通話をせがむ癖に、会うとやる事をやったらだんまり。寝るかスマホをいじるかテレビを見て、沈黙に絶えかねて私が気を使い話し掛ける事が多かった。ただそれもダイキが気に入らない内容などがあれば「それ、もういいから」と制される。うんざりしたし面白くもなかった。

あきさんはおしゃべりではなく、かといって口下手過ぎでもない。聞けば答えてくれるし質問もしてくれるから、会話のピンポンが疲れない程度にずっと続いて心地好い。そしてダイキのように機嫌を損ねたら厄介だと思う事も無い。見た目も嫌いじゃない、セックスは上手い、話していて疲れない、振る舞いも紳士。だから私はあきさんが自分を必要としてくれるなら付き合いは続行したい。

但しあくまで大人同士の、愛だの恋だのは度外視した付き合い。家庭のある私から「好き」と言われたら、あちらはきっと本気になられて家庭を捨てて転がり込まれでもしたら…と警戒するはず。なのでメッセージに返信があったり会いたいと言われ嬉しくなっても、嬉しいとは伝えるが好意を持っているアピールはしない。ただ、あちらは。。。


会話の中で後ろの穴は使った事があるかと聞かれた時の事。「前の男には指入れさせたのに、俺はまだしてないから悔しい」などの発言の後「俺は過去の男より深くまゆを自分のものにしたい、だから後ろに入れさせて」とも返る。さすがにそれは誰にもさせて来なかったし、私の体に負担が掛かり過ぎる。この際理由はどうでもいい、後ろを犯したいというあきさんに慌てて「先だけなら。全部入れるのは私側が切れたりするリスクがあるから。あと、あれって事前に洗浄したりしなきゃいけないでしょ?大変だよ?」と送ると「傷つかないようにするから。あと洗浄なんてしなくていい、気にしない。まゆの初めてが欲しい。初めての男になりたい」と来てポカンとしてしまう。あなたは気にしなくても私は気にするわ。そうも返せず「一回だけなら」と返した。まゆの初めての男になりたい、これも聞きようによっては勘違いしかねない言葉だ。

その日は夜会おうと約束し、合流しホテルへ。ダイキもキスが好きだがあきさんはそれ以上、キスの時間が長いし愛撫も丁寧だし、セックスは本当に言う事が無い程上手くて満足させて貰っている。体位も、挿入しながら上手に私の体を誘導し様々な体位で抱いてくれる。俗に言う松葉崩しはあきさんにされて初めてしたが、当たる場所が変わり激しい快感を得た。

その松葉崩しの体位からバックに体勢を変えた時の事、あきさんの舌が私の後ろの穴をなぞり思わずビクリと身を震わせてしまった。「ゆっくり慣らすから、後ろの処女は俺に頂戴。どうしても他の男が先にまゆのこっちの穴使った事が許せない、俺が塗り替えたいし、俺はそれ以上の事をしたい」そう言われ「使うなんて、少し指入れられた程度だよ?」と返すも「だめ、俺のものなのに」と返る。そしてローションを付けた指がゆっくり入ってきた。初めにまず感じるのは違和感、本来出すだけの場所に逆に異物が侵入する感覚はなんとも言えない。ただ以前ダイキにもされたが、不快かと言われるとそうでもなかったりする。ただ、汚してしまわないかが心配で集中もしきれない。そんな色々な感覚に囚われていたら、指が引き抜かれ…

コンドームとローションを付けた、先が太いあきさんのものが入れられた。

指とは明らかに太さが違う固いペニスは、割って入って来るような感覚だし痛みも感じた。耐えながらじっとしていたが、先さえ入ってしまえば痛みはそうは無くなる。それはかつて若い頃、前の穴で味わった破瓜の感覚と全く同じだった。半分程入った所でゆっくりあきさんがピストンし始めた。亀頭が張ったペニスが前後に後ろの穴の中で動く感覚に、多大な違和感と少しの快感を覚え呻くような声を漏らしてしまった。気が済んだあきさんがペニスを引き抜きコンドームを外し、私が自ら口で咥えしばし刺激したら再び前の穴へ。後ろを犯す際に衛生面から必要な為に付けたコンドームも、ピルの服用をしており避妊が必要無い前に挿入する場合は必要が無い。生で挿入し、やがてあきさんが中に放った。

事が済んだ後笑いながら「後ろも、前の穴の処女喪失と全く同じ感覚だった!痛みの感じ方も。あ、痛いのは始めだけだったから心配は無いよ?」と言うと、あきさんは嬉しそうに微笑んだ。過剰に喜ぶわけではないが、願望が果たせて満足したのは伝わる。それが本人の言うように“私の初めての男になれた”からなのか“後ろを犯したい願望が果たせた”からなのかは分からない。だがお互い合意でした事で、お互いが納得しているから何も問題は無い。

帰る際、運転しながら空いている左手が伸び、私の右手を握ってきた。あきさんは私が口で奉仕したりセックス中にも手を握ってくる事がある。女はこういう行動に弱い、そして大好きでもある。思わず勘違いしそうになりながらも、あくまでセックスの延長でお遊びに手を取って来ただけと自分に言い聞かせた。車を降りる前にするキスが、いつもは軽く触れるだけだったのに舌を絡めるものだったのも

もしや私を多少なりとも好いているの?という勘違いを起こさせるが抑えた。ただ言えるのは、相手は分からないが私は彼に、明らかに淡い好意は持っている自覚がある。そしてそんな付き合っているのかいないのか分からない、という距離感の中激しくセックスし、時折メッセージをやりとりするという今のあきさんとの関係はこの上もなく楽しい。

ダイキの時同様家庭を壊してまでのめり込む程ではない、だがつまらない日常に誰かを好く気持ちを抱き時折は肌を重ねる事は、良い効果しか生まない。女は浮気をすると旦那に寛容になり家事にも仕事にも意欲的になり、感付かれない程度に身綺麗にもするようになり家庭まで上手くいく。

だからといって推奨するわけではない。が、ちゃんと統計的にもソースのあるデータだし自分自身もそう体感しているというだけだが。

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