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喧嘩
まゆ
公開日|2022.11.15
更新日|2022.11.15
「付き合おう」と押し切られて始まった交際は、2度目のデートもホテルに直行。ダイキは多少食事に行ったりデートらしい事もしたいようだったが、したくないのは私の方だった。互いに家庭があり余計な時間も無い婚外の交際だし、目的はどうせセックスなんだから行き先はホテルで良い。その日のセックスも心も体も溶かされそうに良かった。ダイキは私の体を誉めてくれる。Gスポットがあってイキやすい事、クリトリスが少し大きい事、濡れやすく潮吹きする事、締まりが良い事も全て。今までは意識していなかったが、自分が感度が良く締まりも良いと知り嬉しかった。が、同時にそんな体なのに15年も何一つ有り難がらないモラハラ男にしかさせず、しかもこの所は放っておかれた事が悔しくもなった。
「体だけじゃないよ、明るくて話が面白い所も大好きだし見た目も綺麗、でも一番好きなのは声なんだ。だから会えない時はたくさん電話で聞いてたいの」
そう言うダイキは電話魔というくらい、朝昼晩毎日通話を求めた。あちらは朝は会社に行く前に公園に寄り、昼休みも同じ公園で過ごし、夜は奥さんが仕事から帰る前の一時間も一人。その時間を毎日電話して来た。対する私は息子二人と旦那を送り出したら通話、自分の昼休みに通話、夜の一時間のうち30分は家族の目を盗んで自室で過ごす振りをしながら通話。さすがに疲れて来る。少し頻度を落として、とも言ってみたが「寂しい、俺、なんならセックスと同じくらいまゆの声聞くの好きなんだよ」と返されてしまい強くも言えなかった。
この人寂しがりなのかな、あと子供っぽい、自分の要求をまるで母親にねだるように飲ませようとして来る…
付き合ううち段々分かって来た。でも嫌とまでは思わない、子供のいないダイキと男の子二人を育てる私の関係は、完全に小さい子と母親のよう。だけど慣れてもいるからやり切れる。ただそれがエスカレートし始めてさすがに喧嘩に発展するように。互いのスケジュールが合わずに会えない日、ダイキは会いたいという不平をLINEで寄越すが、やがて「まゆが相手してくれないなら、他探す」と言い出す。本気で惚れきっているわけでもないので呆れて「そうして」と返すと今度は「思いやりが無いな、嫌いだよもう」「まゆと付き合って後悔してる」などと言うように。別れても構わないと思い無視しているとそのうち「謝るから別れないで欲しい。会えなくて寂しかったんだ。八つ当たりしてごめん」とも言う。
これじゃ手が掛かる子供が増えただけだ。
旦那、息子二人、飼い犬の上に不倫相手まで。正直鬱陶しさもあったが、本気で別れ話をするとダイキは絶対に引かない。二時間、三時間話そうと翌日に持ち越そうと別れないと言い張り私がいつも根負けし、折れて交際は続行となった。
「一体私の何がそんなに良いの」あまりに別れないと言い張るダイキに、理解が出来ずに聞いてみると「俺にとってまゆは世界一の女性!綺麗だし全部愛してるの、家庭までは壊さないよ?でも互いに伴侶を亡くして自分達だけ残ったら絶対結婚しよう。おじいちゃんとおばあちゃんでも一緒に居よう」と返った。はっきりした理由は分からないので自分なりに考えてみると、ダイキはやはり寂しがりなのだと思う。常に構ってくれてワガママを聞いてくれる女が大好きなんだろう。モラハラ男と息子二人を抱えて子供の主張やワガママに慣れた私は、ダイキにとって自分を受け入れてくれるまさに理想なんだ。合点がいった。
その後も会えないと「お前なんかもう要らない」「喧嘩ばかりで楽しくない」とLINEで八つ当たりされ「じゃあ別れてよ」と送れば「やっぱり嫌だ、別れたくない」というやりとりを繰り返しながら、合間に会ってセックスするという交際が続いた。
もう一つ、ダイキは嫉妬深いのかなとも段々分かって来た。「旦那として欲しくない」「俺以外に触れないで」「まゆは俺だけのもの」そんなLINEも付き合いが長くなるごとに増えてきた。
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