粗雑

まゆ

公開日｜2023.01.15

更新日｜2023.01.15

全く音沙汰の無かったダイキから、久しぶりに「会いたい、まゆが恋しい、抱きたい」というメッセージ。放置されている間に好き勝手していた罪悪感もあるので、いきなり明日会えないかと言われても嫌な顔が出来なかった。今日出掛けていたので明日はゆっくりしたかったが、ダイキの為に承知し翌日は丁寧に支度をして家を出た。今までなら電車に乗るまでもひっきりなしに「今どの辺？」などメッセージが来ていたが、今はそれすら無い。本当に来る気あるの？気が変わって来ない気で連絡もなくすっぽかす気なら、さすがに別れるわ。と思いながら駅に着くと「あと少しで着く！」とメッセージが来た。

駅のエスカレーターに前後に並んで乗る時、ダイキはいつも前に乗り私の服の中に手を入れる。今日もそう。性欲がたまってはいるらしい。エスカレーターを降りたらコンビニに入り飲み物や軽食を買うが、甘いものが好きでよくチョコレートを買うダイキに「今日はチョコは買わないでね」と声を掛けた。一応バレンタインチョコを用意していたから。

ホテルに入ったらすぐに服を脱がされ、いつものようにシャワーも浴びさせて貰えずセックスが始まる。濃厚なキスの後は舌と指で愛撫、濡れやすい私はその愛撫にすぐに反応しダイキをいつでも受け入れられる状態に。正常位で挿入され激しく突かれ、ダイキは「愛してる」「一生抱くからね」と耳元で囁き舐めた。性欲がたまれば愛を囁き激しく求め、射精すればまた放置か…と、感じながらもダイキの分かりやすさに可笑しくなる。彼は嘘が付けない人なのだ。

いつものように中にかなりの量を射精し、すぐに寝るかと思ったらこの日は腕枕で会っていない時私が何をしていたかを聞いて来た。へぇ、そんな事聞く程私に興味がまだあるんだ。と意外に思いながら話し、私は飲み物を飲むのに、ダイキは一服するのにベッドから出る。その際バッグからチョコを出してダイキの前に置いた。フランスのブランドで二個入りと少ないが、GODIVAと同価格のそれを「持ち帰れないだろうから、その場で食べきれるサイズのを探したの。袋も箱もここで捨ててね。あとお返しは要らないから」そう言って渡すと、ダイキは思いの外嬉しそう。「お返しはするよ」と言いながら「可愛い、ありがとう」と言い食べ始めた。そして「コロナの第７波のせいで仕事が急増してるんだ、毎日昼休みも仕事の事考えてて休んだ気にならない。会社のPCに来るメールも会社に着いてから開いたんじゃ多すぎて間に合わないから、いつでもチェックして返せるようにスマホに転送してる」と話すダイキは本当に疲労が窺える。例え体目当てであれ、私も既婚なのだから本来それで良い。そしてセックスにおいてはかなり満足させてくれているし、多少なりとも可愛がってもくれる。そんな彼に今別れを切り出しても、また聞き入れないだろうし余計な心痛も増やしたくない。だからまだ言わないでおこう、とも思えた。

少し休むうちダイキのモノがまた硬くなって来たので私が口で愛撫する、そしてダイキが覆い被さり二回目が始まった。勃起の時の硬さもピストンの強さも、フリータイム中二回射精出来るのも、この歳にしてはかなりのもの。どんなに別れたいと思っても、この子宮まで届くピストンに絆されてしまいいつも出来なくなる。ダイキが必ず「気持ちいい」と言ってくれるのも、一度目の射精が辛抱出来ずに割と早いのも嬉しい。感じていると分かるから。そしてそれはたかさんも同じだった。彼は二回目の射精は無理だが一度目は貪るように激しく求め、射精もちゃんとイカせてくれるが少し早め。そして「気持ちいいから持たない」と言ってくれる。旦那はそんな事言った事も無いし放ったらかしだったが、私の体って気持ちいいんだ…と自信にはなる。

事が済み駅で別れると、帰りの電車内で私からいつも「会えて嬉しかった」などのメッセージを送り、ダイキからも最初は「さっき抱いたばかりなのに、もう恋しい」「愛してるよ」と返っていたのに、今では既読すら付かない。嘘が付けない分あまりにもあからさまで、思わず「やっぱり別れようかな…」と過った(笑)たった数ヶ月で随分粗雑な扱いになったものだ。

ダイキは変わっていて、その言動によく苛立たせられるし別れ話にも繋がる。そこは旦那によく似ていて「旦那もダイキも似てる…男性ってみんなこんななの？私が悪いの？」と思ったが、たかさんとは喧嘩に全くならない。やっぱり個々の性格なのだろう。そして喧嘩にならず順調に交際が進んでしまうが為に、たかさんともまた別れられない。

もっと読みたい！あなたにおすすめの記事はこちら