人を好きになったことがない、あるいは好きになれないと自分のことを感じている人は、なぜ好きにならないのでしょうか。
多くの人が異性などに対して好きになる、すなわち恋愛感情を持つのが普通と考えられていますが、何らかの理由で、そんな感情を持つことがないという人もいたりします。
ではその理由は一体なんでしょう。さらに、もし人を好きになりたいと望むのなら、何かできることはあるのでしょうか。

目次

人を好きになれない・好きになったことがないその理由は?


ではまず、人を好きになったことがない、好きになれない理由にはどのようなものがあるのかについて見ていきましょう。

過去に恋愛にトラウマがある

このパターンで多いのが、過去のトラウマです。
特にとてもつらい恋愛、あるいはつらい別れを経験すると、意識しようと無意識的にであろうと「もう二度と人を好きになるものか」と、自分で決めつけてしまうことがあります。

そもそも感情の起伏や欲望が少ない

もともと感情の起伏が少ないと、人を好きになるという感情が起こりにくかったりします。
他のことに対しても感情の起伏が少なければ、人を好きになることも少ないはずです。

面倒なことを避けてしまう

人間関係というのは、ある意味面倒なものです。
そんな人間関係の中でも特に恋愛関係は、経験によっては非常に面倒と感じ、その結果そんな面倒なことは避けようと無意識的に感情をブロックしてしまっている場合もあるでしょう。

自分に合う相手が見つからない

単純に好きになれるような相手と、まだ出逢えていないというケースもあり得ます。
人によっては相手ではなく、単に恋愛感情に陥りたいからと言って人を好きになる場合もありますが、クールに考えればそこまで自分が必要と感じる相手と、まだ出会っていないからということも充分あり得ます。

恋愛よりも優先する価値観がある

恋愛というのはどっぷりハマってしまうと、盲目的になってしまうほどの魔力を持っています。
もしそんな盲目的な状況になった自分が嫌と考えていると、当然ですが人を好きになるという感情にフタをしてしまっているかも知れません。

これまで人と関わる機会が少なかった

生活環境によっては、他人と関わる機会があまりないという人もいるかも知れません。
そうなると、そもそも好きになる相手というのが現れませんから、好きになるという機会も訪れません。

恋愛感情を持たないセクシャリティ

近頃ではLGBTなど、セクシャリティの様々な種類について語られていますが、その他にも基本的に人間に対して愛情や恋愛感情を抱かないという「アセクシャル」というものがあります。
ですからもしこのアセクシャルにカテゴライズされるような人は、恋愛感情を持って他人を好きになるということがあまりないということになります。
他に特に理由が見つからず、恋愛に対して興味がなく、さらに性的にも他人に何も感じないというのであれば、このようなセクシャリティの問題なのかも知れません。

人を好きにならないとどうなる?


ではもし人のことを好きにならない、恋愛感情が生まれないという場合、どのようなこととなるのでしょうか。

恋愛や結婚ができないかもしれない

まずは人を好きになるという恋愛感情がないとなれば、当然ですが積極的に恋愛ができないということになるはずです。
さらに恋愛関係から発展する、婚姻関係というものも縁遠くなりがちです。
とはいっても恋愛感情がわかなくても、恋人と言えるパートナーを作ることは可能ですし、お互いが同意していればセックスレスでの関係というものも今の時代は珍しくありません。
結婚に対しても同様で、恋愛感情がなければ結婚できないという話でもなく、一般的な流れとして恋愛感情から結婚へ発展しなくても、「関係性」として結婚するということは、できないことではありません。

人生を味気ないと感じてしまうことも

恋愛感情というのは人生において、大きなポジションを占めるものと感じる人はたくさんいるはずです。
恋愛のため、好きな人のために毎日頑張るという発想は、ある意味人生にたくさんの経験を与えるものとなり、そんな恋愛感情を持たないとなると、その分味気なさを感じてしまうかも知れません。
ただしそれに関しても、恋愛のネガティブな部分、例えば別れた際の引き裂かれるような感情を味わう必要がないと考えれば、すべてがすべて味気なさがだめかということでもないはずです。

もし人を好きになれない場合その対処法は?


このように人を好きにならない理由はいくつかありますが、もしそれをなんとか解消したいと考えているとしたら、一体何をすればよいのでしょうか。

過去の出来事をクリアにする

もし過去のトラウマや、つらい恋愛経験を持っていたとしたら、再び人を好きになるためにはその出来事や記憶、感情を乗り越えていかなければなりません。
場合によってはそんな過去の出来事と向き合うことも必要でしょうし、それが過去の出来事に過ぎないということが腑に落ちなければならないかも知れません。
しかし向き合うといってもあまりにつらい経験だったとしたら、無理に思い出すのもさらに感情が悪化してしまうリスクもあります。
多くの場合そのような過去の出来事からの解放は、時間の経過によってなされるものですが、それに関わる時間がどのくらいかは状況によって大きく変わってきます。

感情をよりハッキリ表現する

感情の起伏がない場合、何らかの理由で自分の感情を抑え込んでしまっているのかも知れません。
例えば子供の頃にいろいろなことを我慢しなければならなかったりすると、成長して感情が出にくくなってしまいがちです。
そのような場合は、意識して感情を表現してみてもよいでしょう。
と言ってもはじめはなかなか難しいはずなので、そんな時は演技で構いませんから、わざと感情を口にしたり表現してみるのもひとつの方法です。

本当にほしいものが何かを見つめてみる

人間の本能としては本来異性と接することで、子孫を残したいというものがあります。
これをよりどころとして異性に対する強いモチベーションを持つわけですが、その本能がそもそもそこまで強くない場合がありますし、あるいは何かの原因でそんな本能から目を背けてしまっていることがあるかも知れません。
本来あったはずの感情を重視せず、他のものを優先しているのであれば、今一度恋愛やパートナーに対するモチベーションを見つめ直してみてもよいでしょう。
それを得ることで自分の人生がもっと豊かにならないか、ゆっくり自問してみてください。

まとめ

人のことを好きにならない理由というのは実に様々で、そしてそれは決して珍しいことでもおかしな事でもありません。
本来そもそもそういう感情がないという場合もありますし、何かの出来事や育った環境、あるいは恋愛のつらい別れが原因になっている場合があります。
もしそんな状況を変えたいと考えるなら、恋愛の優先順位を上げるための価値観や、過去の出来事を見つめ直してみてもよいでしょう。
しかし価値観やジェンダーの多様化が認められている現在、人を好きになれないことをさほど大きな問題として捉えないようにすることこそ、実は重要なのかも知れません。