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美しい人妻❤︎ vol.8 苦しさと寂しさが募る
mucchi
公開日|2024.11.30
更新日|2025.01.15
美しい人妻と通じ合ったけど、貞淑な妻であって欲しかった。愛しているけど、信じられない。誰にも話せない関係だけど、誰かに認めてもらいたい。M子とのことをここに書き留めることで、矛盾だらけの苦しくて切ない気持を少しでも鎮めたい。そう思って書きました。
M子は美しい人妻です。清楚でいて少し茶目っ気もあり、気さくな性格です。ただ、その容姿の美しさ故、自然に接するには、やや近寄り難く、高嶺の花、職場のマドンナ的存在で、多くの男性が淡い期待を抱いて恐る恐る手を出しては夢破れるを繰り返していました。
そんなM子が私に身も心も許し、尽くしてくれる存在となりました。信じられない夢のようなことが現実に、私の身に起こり、一生分の運を使い果たしたような気持でした。しかし、M子自身は決して高嶺の花でも何でもなく、一人の女として、私を好きになってしまっただけなのです。私と一緒に過ごすことに安心感と幸福感を覚え、私にとっては、私の寂しさを完全に埋めてくれる安らぎを与えてくれる愛おしい大切な存在なのです。
私たちの将来についてM子と話したことがありました。M子は「すぐには無理かも知れないけど、もしかしたら、将来、状況が変わって上手くいくかも知れないと思っている。」と、想像できるでしょう?みたいな語調で、そんなことを言っていました。お互い家庭を持っていて、しかもM子には小さい子供がいて、一体どうやって?と、その時の私は想像出来ないでいました。要するに、いずれ私が離婚することを期待していて、子供はいずれ自立し、そうすればM子自身も離婚して、私との関係をしっかりとしたものにできると。そういうことを言いたかったのかも知れません。今ごろになって分かったような気がします。
転勤するか…
M子と付き合い始めてから1年経ったころ、私は転勤の希望を出しました。ひと通りの業務に慣れ、物足りなさを感じていたからです。仕事でもっと上を目指すためには仕方ないと思いました。ただ、M子とのこともあり、通える範囲で希望したため、そうそう転勤とはならないのではないかとも思っていました。このことをM子に話すと、あり得ないくらいの勢いで責められました。実は、M子自身は勤務年数が長かったため、そろそろ転勤しなければならず、近隣の地域での希望を出していたのですが、それと同じようなものなのに、なぜ責められなければならないのか、意外な反応に戸惑いました。私が大した年数も経っていないのに、まさか自ら転勤の希望を出すとは思っていなかったのでしょう。お互い転勤したとしても、職場が変わるだけでいつでも会えることを訴えその場を収めましたが、M子は納得出来ない様子でした。
私が悪いとは思うが
その後、意外にも私に転勤の打診がありました。日常的にはM子と会えないくらい遠く離れた場所への転勤でした。上司からは「断っても構わないし、むしろ、出来れば断って残って欲しい」と言われました。そして、この打診のことをM子に話しました。「どうして?断るよね。別に受ける必要ないし、左遷のような場所だと思う。Tなら、もっと良いところに転勤できるはず。」とM子に今回の転勤を断るよう迫られました。まるでドラマのワンシーンでも見ているかのようでした。ある意味、納得感はありましたが、「M子も普通の女性と同じ感情を持っているのだな」と改めて思いました。
転勤の打診のあった場所は少し田舎になるため、都会暮らしに拘る人は嫌かも知れませんが、明らかに格上の職場で、仕事のやり甲斐や、その後のキャリアを考えると悪い話ではないと思いました。一方で、M子の言うとおり、この打診を断っても1年後には、もっと格上の職場への転勤の可能性も十分にあると思ったのと、やはり、M子とこれまでのようには会えなくなることを考え悩みました。
M子か妊娠を装い離婚を迫っているのは、私がM子との関係を続けようとするその気持を確かめるのと同時に、私に裏切られたとの思いからくる仕返しのつもりなのだと思いましたし、たとえ私が離婚しても、M子は離婚しないつもりなのだろうと思っていました。私に対する怒りを何となく滲ませていて、私を不幸に追い込むことでその気持ちを晴らそうと考えているのではないかとさえ思いました。
一方で、私を失いたくない気持や寂しさもあったのでしょう。それまでと同じように、私との時間を作り、体の関係も持ち続けました。
その後も、M子は私に離婚を迫り続けました。職場の半ばオフィシャルな飲み会に出席している最中にも頻繁に電話がかかってきて、仕方なく何度も席を外したことも。「私も離婚して、仕事を辞めてついて行く。実家の母も賛成してくれている。」真偽は分かりませんが、そんなことを言って私が離婚するよう促しました。さらに、「私から奥さんに離婚するように話す」と言って私の自宅のすぐ近くまで車で乗り付けてきたり、M子の父親が手を回せば私の今後のキャリアも妨害できるようなことを仄めかしたり。もう、脅しにしかなっていませんでした。でも、騒ぎとなり表沙汰となった場合、自分の人妻としての立場が相当不利に働くことも考えたのでしょう。最終的には思い切った行動にでるには至っていませんでした。それでも、私が離婚を決断しないでいたある日、電話で「離婚しないなら、夫に全てを話す」と言ってきました。本気なのだろうか?そんなことをしたら自分もマズイ立場に追い込まれるはずです。もう開き直って、何もかも滅茶苦茶にしてしまう覚悟を決めたということなのでしょうか?「前に、私のことを疑っていて、問い詰められたことあったの話したよね。夫に話せば、きっと職場に乗り込んで来るよ。それでもいいの?」そんなことをM子は言っていました。そして「わかった。これから話す。」と言い残して電話が切れました。
私は、自分の家庭を捨てる覚悟は全くできていませんでした。満たされない寂しさをずっと持ち続けていて、それを解決するのを半ば諦めていたところに、M子と気持が通じ合い、M子がその寂しさを埋めてくれていました。気持の上では、決してM子は、それだけの存在ではありませんが、第三者が見れば、現実の立場は寂しさを紛らす程度の存在でしかなく、転勤という不安定な要因により、M子は大きな不安を抱き、私に失望したのかも知れません。
M子の夫が職場に乗り込んで来て騒ぎになり、M子との関係が表沙汰になり。信頼を失い、今の仕事を失うかも知れない。妻にも迷惑をかけます。「夫に話す」本当に、そこまでされたら、もう私のM子に対する未練は無くなると思いました。
詳しいことを書くのは省きますが、私はある程度のことを覚悟しました。そして、まだ、夫に話していないことを祈りつつ、M子にその覚悟を伝えるために電話をかけました。「未だ話していない。今から、夫に話そうとしていたところだった。でも、話すのはやめる。」そんな風に言っていました。たぶん、始めから話すつもりは無かったんだなと、何となく伝わってきました。冷静に考えれば、M子も私も両方にとって身の破滅になるのが目に見えています。それに、M子の2人の子供を巻き込むことになることも、きっと考えているはずです。不倫をしていること自体が矛盾した行動ですが、自ら破滅への引き金を引くような愚かなことをするくらいなら、不倫をやめる方を選ぶべきです。
日を改めて、M子と以前のように待ち合わせ、転勤してからも関係を続けることを約束しました。お互いに別れたくないし、私が折れることが無かったので、結局、落ち着くべき所へ落ち着いたのだと思いました。そして、大きな喧嘩をした後だったせいもあり、M子も同じ気持だったかどうかは分かりませんが、ここしばらくの間の辛さや寂しさが込み上げてきて、夢中でM子の体を求めていました。
転勤してから
職場の送別会の2次会では、ずっとM子と隣同士の席で話していました。こういった席では、必ず、あの男がM子を独占するものと決まっていましたが、この時ばかりは、私もM子も当然のように、人目も憚らずカウンター席で二人で並んで座りました。薄々感づいている人たちの目には留まっていたとは思いますが、転勤までの僅かな期間、M子と少しでもそばにいたい気持ちを優先させました。
転勤してからは、メール、電話、それから古典的ですが、職場宛に手紙を出してやり取りしました。転勤して1ヶ月と経たない内に、M子に会いました。M子は悩んでいるようでした。別れた方がいいのではないかと。でも、この時は私との関係を続けようと気持を強く持ち直したようで、久しぶりに体を求め合いました。M子に体を密着させると肌の吸い付くような感覚に、溜息が漏れそうになりました。もう離したくないという気持で、強めに抱きしめ、奥深くを味わうようにペニスを擦り付けました。離れていても、別れるなんて絶対に考えられないと思いました。この時、つい少しだけ中に出していました。本当に妊娠してしまってもいいのではないかという気持が頭の中を過りつつも躊躇する気持がいくらか勝って、中途半端なことをしていました。
実は、この数日前に「おなかの子は流れてしまった」と連絡がありましたが、そもそも妊娠していないので、作り話だと思いながら話を合わせていました。そんなことがあった直後に、私とセックスをすること自体に無理がありますし、M子も私が気付いているのを分かっていて一緒に演じていたのだと思います。それから数週間後、「好きな人ができたの。」と、電話でM子が言ったことがありました。でも、あまりにも唐突で、ただ言ってみただけ感が伝わってきて、そんな風に言えば私と別れられるのではないかと思って言ったものの、M子自身、別れる決心がつかないでいる様子でした。遠く離れたまま、関係を続けるのが辛いと言っていたような記憶があります。その後のやり取りは忘れてしまいましたが、ある日、M子からの手紙が届き「もう別れたい」との内容が書かれていました。ショックでした。
苦しく切ない
1年間くらいはとても苦しみました。純粋に別れたショックと、他の男に走ったのではないかと考える嫉妬の気持や、そもそもこの期間、他の男のことを私に察しさせずに上手く私と別れようとしていたのではないかという殆ど根拠のない疑いの気持がない交ぜになり、普通の精神状態ではいられませんでした。時間がその気持を和らげてくれるのを待つしかありませんでした。寂しさを紛らせたい気持から、新しい職場の若い独身の女の子と親しくなったのですが、その子が、これ見よがしに妻の前で私と親しそうにしたことがあり、妻から釘をさされ、それ以来、完全に気持が萎えてしまい、その子とは距離を置くようになってしまいました。気を紛らすことも出来ず、ただ悶え苦しみ、耐えるしかありませんでした。
別れて7年経ったくらいの頃だったと思いますが、M子が転勤していった職場の一室で開かれる会議に出席することが何度かありました。M子に会うことは避けましたが、2回ほどお菓子を入れた封筒を受付経由で渡したことがありました。「ありがとう」のひと言だったと思いますが、M子からメールが届き、まだ気持が繋がっているような気がして、一瞬嬉しく思い、その直後、堪らない寂しさを感じていました。
別れてちょうど10年経ち「ごめん。さっき間違ってメール送ってしまった。」と、誤送信を装ってメールを送ったことがありました。「大丈夫です。」そんな返信だったと思います。無視はされないだろうと予想はしていましたが、本当に返信が来てホッとしました。そして、思い切って「会えないか?」と送ってみました。「10年も経って何故?10年前、あなたにとって私は必要ないんだと思った。あなたはきっと今、少し気持が弱っているだけだと思う。」それきり、受信拒否のリストに入れられたのか、アドレス変更してしまったのか、彼女へメールを送信出来なくなってしまいました。電話は通話可能かも知れませんが、話をする自信もなく掛けていません。目も耳も塞がれてしまったような孤独感に耐えるしかないと思い気が遠くなりました。
今でも、私がM子を思う気持はあまり変わっていないと思っています。未だに、あの男との裏切り行為を疑い、苦しくなることがあります。夢の中では、M子とかつてのように過ごし安らぎを覚えることさえあります。今となっては、私が一方的に思っているだけで、M子は私のことなど思い出すことは無いのだろうと思うと、無限の宇宙を永遠に彷徨うようなとてつもない孤独感に襲われ苦しんでいます。
人妻には夫がいます。不倫がバレた場合、独身女性との不倫とは比べ物にならない大きな危険があると思っています。それが分かっていてM子と、そういう関係になっていました。本来の私であれば、絶対にあり得ないことをしていました。M子のことだけは未だに忘れられずにいますが、もう二度と人妻とそういう関係となることはないと思います。
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